
高市内閣の要である片山さつき財務大臣が代表を務める政党支部「自由民主党東京都参議院比例区第25支部」と資金管理団体「片山さつき後援会」が、同一の支払いを二重計上していたなどの問題で、片山大臣と両団体の会計責任者と事務担当者ら計6人が政治資金収支報告書の不記載や虚偽記載などの政治資金規正法違反の疑いで、東京地検に17日付で刑事告発されたことが分かった。(フリージャーナリスト 鈴木祐太)
◆政治資金規正法違反の疑い 巧妙な「二重計上」の手口
告発状を送付したのは、神戸学院大学の上脇博之教授。
「片山後援会」は2022年にプリンター保守料などで京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社などに約61万円を支払っていたと収支報告書に記載していたが、同時に「第25支部」でもプリンター保守料などで計約61万円を収支報告書に計上していた。
しかし、約61万円の支出は「第25支部」の支出であり、「片山後援会」は支出していなかった。同一の支出における振込票と領収書を、あたかも別の支出のようにして「領収書等の写し」としてそれぞれ提出していた。つまり、「片山後援会」と「第25支部」は二重計上していたのだ。
また2023年には、サービス利用料としてSansan(サンサン)株式会社への支払い合計約140万円が、「片山後援会」と「第25支部」に二重計上されていた。

◆事務所費や寄付金など計180万円近くが闇に
今回の告発は二重計上の問題だけではない。
2023年、「第25支部」は事務所費を合計52万5千円支払っていたが、収支報告書に記載していなかった。さらに、合わせて15万円の寄付金や交付金を受け取ったにもかかわらず収支報告書に記載していなかった。
2022年も、「第25支部」は家賃30万円を支払っていたのに収支報告書に記載していなかった。一方、寄付金収入も合計82万円も記載していなかった。

◆文春報道を受け訂正も、上脇教授「訂正こそが偽装したとの自白」
これらは、週刊文春が2025年12月と2026年3月にそれぞれスクープ報道したことで明らかになり、その後、「片山後援会」と「第25支部」が収支報告書を訂正した。これらの訂正が二重計上の「自白」であるとして、訂正された収支報告書を証拠として上脇教授が刑事告発に踏み切った。
刑事告発をした上脇教授は次のように話す。
「一つの支出における領収証と振込票を悪用して、片山氏の二つの団体で、まるで別の支出があったかのように偽装するために、一方は領収証を、他方は振込票を、“領収書等の写し”としてそれぞれ総務大臣に提出していたのです。
これは、片山大臣と会計責任者が、片山後援会と第25支部の両方の政治資金を管理していたからこそ可能になった巧妙で悪質な手口です。これを週刊文春の記者が地道な調査で見抜いたのです。
収支報告書の訂正が何度もなされており、訂正の確認に一苦労しましたので、告発状を書くのに相当の日数がかかりました。文字数は約3万4000字。告発状のほか証拠が大量にありましたので、段ボールに入れて東京地検に送付しました」
高市内閣発足からまだ2カ月。閣僚の中から出て来たカネの問題に、高市首相はどう向き合うのだろうか。

■ 鈴木祐太(すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属























