ミャンマーと中国の国境のシュエリーで開かれたカチン族のマナオ祭。カチン族は、中国側にも多く暮らす。祭ではKIAの制服を着た男性と出会った。(撮影=赤津陽治、2009年3月)

 

ミャンマー(ビルマ)の少数民族カチン族の最大武装勢力であるカチン独立軍(KIA)は、6月20日付の声明で6月9日に発生した国軍との大規模な戦闘について明らかにした。
ミャンマー政府は、6月18日付の国営紙で、「KIA側が先に国軍を攻撃し、拘束された国軍兵士の奪還と建設中のタペイン水力発電所を防衛するために軍事行動をとった」と発表していた。

一方、KIAは、声明のなかで、KIA支配地域に侵入した国軍兵士を拘束したことは認めているものの、最初の攻撃は6月9日午前3時に国軍が開始したものであったと主張。国軍側の捕虜交換の提案を受け、拘束していた国軍兵士をKIA側は解放したものの、国軍側は、死亡したKIA兵士の遺体しか返還しておらず、他のKIAメンバーは一切解放していないと指摘。さらに、返還された遺体を確認したところ、拷問により死亡したことが判明したと批判した。

また、国軍将校がタペイン水力発電所に一時的に訪問する許可を認めたものの、これに乗じて、KIA支配地域に入った国軍の部隊は撤退しなかったのみならず、11個大隊を増派して占拠したと述べている。
KIAとミャンマー政府は6月30日、今回の戦闘後初めてカチン州で会談を行なった。KIAは、停戦の意向が確かならば、政府中枢の意向を文書で示すよう求めた。
一方で、国軍側の兵士100人が文民姿で中国国境のムセに到着したことが確認されたという情報もあり、国軍側が攻勢を強める可能性も拭いきれない。
【赤津陽治】