昨年6月以来、国軍と少数民族カチン族の武装勢力との間で戦闘が続くミャンマー・カチン州。カチン州と中国・雲南省国境周辺には、戦闘を逃れてきた約6万人の難民が避難生活を続けている。

昨年6月のミャンマー国軍とカチン独立軍(KIA)との戦闘で逃れてきた国内避難民5721人が暮らすジェヤンカー・キャンプ。(3月5日カチン州・ライザ郊外、赤津陽治撮影)

 

カチン族最大武装勢力のカチン独立機構(KIO)本部のあるライザ周辺には、約1万3000人の国内避難民が5カ所のキャンプに分かれて暮らす。
昨年6月、ミャンマー国軍とKIO軍事部門のカチン独立軍(KIA)との間で大規模な戦闘が発生。ライザには、周辺約40の村々から避難民が押し寄せた。
KIOは急きょ、ライザ市内3カ所のほか、郊外に数千人収容可能なキャンプを2カ所建設。避難民に米の配給、無料の診療などの援助を続けている。
当初は、国外在住のカチン人や中国のキリスト教系団体などからの援助があり、油や塩なども配給された。しかし、最近は国外からの援助は少なく、避難民たちは、野菜の自家栽培や日雇いの仕事をするなどして、生活をしのいでいる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が昨年12月にミャンマー側から訪問したが、300家族分の援助物資を届けただけで、その後、新たな援助はない。

昨年6月のミャンマー国軍とカチン独立軍(KIA)との戦闘で逃れてきた国内避難民2613人が暮らすウェーチャイ・キャンプ。避難生活は10カ月目に入った。(3月5日カチン州・ライザ、赤津陽治撮影)

 

ライザ周辺で最大のキャンプ、6000人近くが暮らすジェヤンカー・キャンプには、子供たちのために学校が設置されている。キャンプの学校でカチン語を教えるミィンロイジさん自身も、避難民だ。雨季でぬかるんだ道を歩いてライザに避難してきた。
「またいつ戦闘が起きるか分かりません。不安がある限り、帰ることはできないのです」
KIOとミャンマー政府との間で、停戦協議が断続的に行なわれているが、いまだ合意に至っていない。避難民にとって、先行きの見えない日々が続く。
【カチン州・ライザ(ミャンマー・中国国境)=赤津陽治】