ミャンマー国境の中国雲南省・瑞麗で8日から開かれていたミャンマー政府代表団とカチン独立機構(KIO)代表団との協議が10日、終了した。昨年6月の大規模な武力衝突以降、両者間の協議は5回行われたものの、目立った進展はなかった。

3月8日から3日間の日程で雲南省・瑞麗にて開かれたカチン独立機構(KIO)とミャンマー政府側の5回目の協議は、進展のないままに終わった。KIO支配地域ライザの教会では、24時間交替で平和への祈りが9カ月以上続けられている。(3月7日カチン州・ライザ、赤津陽治撮影)

 

スムルット・ガム中央委員を団長とするKIO代表団8名は、前回1月中旬に同じ瑞麗にて開かれた協議で提示した3段階のロードマップの内容について詳細に説明。アウンタウン国会議員を団長とするミャンマー政府代表団14名は、KIOが第2段階に位置づける「政府とすべての少数民族指導者が参加する会議の開催」については概ね同意した。
また、KIO側が第1段階で要求している国軍の撤退についても概ね合意に至ったものの、撤退の具体的計画については次回の協議に持ち越された。

KIO側によると、昨年6月の大規模な戦闘が起こる以前は、カチン州に配置されていた国軍部隊は53個大隊だったが、その後増派され、現在、KIOの部隊がいるカチン州とシャン州北部には、146個大隊が配置されている。また、前回の1月中旬の協議後、現在までに約80回の小規模な戦闘が起きているという。

KIO代表団のひとりジーノーン中央委員(60歳)は、「国軍部隊がそのまま居座ったまま、和平を結ぼうと言われても、すぐに信頼して署名することはできない」と不信感を露にした。
【瑞麗(中国・雲南省)=赤津陽治】

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