ことし1月にミャンマー政府と停戦合意した少数民族カレン族の最大武装勢力カレン民族同盟(KNU)で内紛が起きている。イラワジ誌の報道によると、KNU軍事部門トップを含む幹部3人が解任された。KNUの内規に違反したことを理由に、KNU本部の中央委員会が4日、決定したという。

イラワジ誌は、第5旅団長のボジョー准将がKNLA総司令官代理に任命されたと伝えている。写真はビルマ(ミャンマー)新政府とカレン民族同盟(KNU)との停戦合意から3ヶ月後、停戦後のKNLAの立場について部下の兵士に説明するボジョー(2012年4月/FILE/撮影:宇田有三)

 

解任されたのは、KNU軍事部門のカレン民族解放軍(KNLA)総司令官のムトゥセーポー大将、常務中央委員のデビッド・トー司法部長とロジャー・キン教育部長の3名。いずれも、63年間に及ぶ武装闘争史上初の停戦合意に至った今年1月の会談にKNU代表として派遣された人物で、総司令官は団長を務めた。

先月29日にカレン州パアーン市にKNLA連絡事務所が開設されたことに関し、KNU本部は「ムトゥセーポー総司令官らが独断で行ったものであり、KNUの承認を得たものではない」との声明を発表していた。
KNU内では、政府との停戦交渉をめぐって、推進派と慎重派との間で溝が深まっていたといわれる。今月予定されていた幹部の改選前に、慎重派が推進派の動きを牽制したとみられる。

タイ国境在住のKNUメンバーの男性(41歳)は、「いま双方の間で話し合いが行われており、固唾を呑んで見守っている。組織が分裂しないことを願っている」と語った。
KNLAは、7つの旅団で構成され、兵力は推定約1万人。本来、KNUの一部門としてKNU本部の指揮下にあるが、ムトゥセーポー総司令官は、第2旅団と第5旅団を除く5つの旅団を現在も掌握しているという。イラワジ誌は、第5旅団長のボジョーヘー准将がKNLA総司令官代理に任命されたと伝えた。
【赤津陽治】