「北京五輪の前後からモダンな建築物が増え始めた」10月28日北京・国貿 宮崎紀秀撮影。(写真は一部デジタル加工してあります)

 

北京を訪れる度に、巨大で現代的なビルに圧倒される。
中国といえば、「道路を埋め尽くす自転車の群れ」という印象がいまだに残っているからかもしれない。
しかし、そびえるビルの威圧感は、そんなかつての貧しい国のイメージを一刻も早く捨て去り、この国が世界第2位の経済大国になった事実を認めるよう、人々に強要しているかのようにも思える。

中華民族の中心地として誇りに満ちた北京には、天安門広場や故宮など、もともと大きな建造物が多い。新たに造られる建物に、大きさだけではなく奇抜さや斬新さが加わり始めたのは、2008年の北京オリンピックに向けて、国がまい進していた頃だった。

「高層ビルは中国が経済大国になったこと威圧的に示しているかのようだ。」10月28日北京・国貿 宮崎紀秀撮影。(写真は一部デジタル加工してあります)

 

都市の景観は変わっても、人々の生活はそう大きく変わるものではない。素朴な北京っ子たちの頭上に、ピカピカの巨大建築がニョキニョキと建つ光景には、ちぐはぐさを感じずにはいられない。そのすっきりしない感覚は、共産主義を標榜する中国が、国を豊かにするために持ち出した、「社会主義市場経済」という言葉の座りの悪さと、限りなく近い。
【宮崎紀秀】

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