大気汚染で霞む高層ビル 2014年2月15日 北京・国貿にて、撮影 宮崎紀秀

大気汚染で霞む高層ビル 2014年2月15日 北京・国貿にて、撮影 宮崎紀秀

 

◇人類の居住に適さない街にて

目が覚め窓の外を眺めると、朝日が靄に霞んではっきり見えず、まだ夜明け前かと錯覚する。この日もそんな朝だった。

大気汚染はもはや北京の代名詞ともなったが、実は、風が吹くなどして突然、青空が広がることなどもある。しかし、この前夜は、旧正月が明けてから初 めての満月となった元宵節。人々が花火や爆竹で盛大に祝ったことが災いしたのか、夜が明けてみれば、肉眼で分かるほど空気は濁っていた。

こうした日には、スマートフォンのアプリが、「本日の空気は不健康」とか「有害」などと注意喚起してくれる。それはそれでありがたいのだが、正面 切って「本日の空気は有害」などと言われたところで、呼吸を止めるわけにもいかないことに気づき、じわじわと恐怖に近いものさえ感じるだけだ。それは地元 の人も同じなのだろう。最近ではマスクをつけて歩く人の姿も増えた。

霞んだ高層ビルは、SF映画が好んで描く荒廃した近未来のようだな、などと思っていると、中国の研究機関が、「北京の大気汚染は人類の居住に適さない程度に達した」とのリポートを発表したという。笑うに笑えない話である。
【宮崎紀秀】

視界は数十メートル?マスクをつけて歩く人も増えた。 2014年2月15日北京・国貿にて、撮影 宮崎紀秀

視界は数十メートル?マスクをつけて歩く人も増えた。 2014年2月15日北京・国貿にて、撮影 宮崎紀秀

 

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