1992年6月に開かれた郡開発委員会の選挙の前に、ネパール会議派のギリジャ・プラサド・コイララ首相がロルパを訪れたときには、リバンでエカタ・ケンドラの活動家や学生が抗議を意味する黒い旗をもってコイララ首相を"歓迎"した。

この事件に関連して、アナンタを含む65人が逮捕され24日間拘留されている。ロルパの与党支持者は、エカタ・ケンドラの活動を弾圧する目的で、大勢の同党の活動家をさまざなまケースで起訴した。その大半のケースは"でっち上げ"たもので、たとえば、アナンタは見知らぬ警官を殴ったり、泥棒をしたという"身に覚えのないケース"で起訴された。

ロルパや北に隣接するルクム郡では、何百人もの活動家が偽のケースで起訴された。そのため、大勢の党員や活動家が逮捕を逃れるために自宅を離れて、地下に潜行して活動をするようになるのだが、その後、彼らの多くがマオイストになるのである。

ネパール会議派やその支持者が司法界を含む国家権力を利用して、反対勢力の制圧を試みるなかで、彼らがとったこうした手段は、マオイストが持つ強い反国家感情につながっていく。
(つづく)

【連載】 ネパール マオイスト・女性ゲリラたちの肖像

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