4月13日に東京・渋谷で開かれた、ミャンマーの最大野党・国民民主連盟(NLD)党首のアウンサンスーチー氏と在日ミャンマー人との対話集会では、スーチー氏の冒頭演説の後、質疑応答が行われました。その模様を再現、全文を連載します。今回はその最終回。
取材・訳 赤津陽治

アウンサンスーチーさんの話に耳を傾ける在日ミャンマー人たち(2013年4月13日 東京・渋谷)
アウンサンスーチーさんの話に耳を傾ける在日ミャンマー人たち(2013年4月13日 東京・渋谷)

 

質問
国の法の支配において、警察は大きな役割を果たす組織です。旧来の考え方をなくすため、内部のものの考え方を変えるために、制服の色なども含めて変更する計画があるのか、お答え願います。

ASSK(アウンサンスーチー氏、以下、ASSK)
私は言いたいですね。制服を変えるよりも意識を変えることの方がずっと重要です。

私がレッパダウン山プロジェクトに関連する仕事をしていた時、警察官、警察の責任者たちと関わりがありました。私がひとつ何に気がついたかと言いますと、私たちの国の警察官が働かなければならない状況というのも容易なものではありません。多くの人が警察官は良くないとしか言いません。しかし、実際は、私たちの国全体が良くない状況に陥ってしまったのです。ですから、私は、別扱いにして、この人は良くない、あの人は良くないと言いたくありません。

人を見る時、過ちを過ちとして見るかわりに、改善すべきこととして見ていただきたいのです。私は、過ちを探すことに興味はありません。答えを探すことに興味があります。ある状況において問題があるならば、どのようにその問題を解決するか、答えを探そうとします。過ちを探すのではありません。

私たちの警察官に関しても、同様です。私たちの警察官に関して、私には過ちを探そうという気持ちは全くありません。答えを探したいとしか思いません。どうやって良くしていくか。どうやって私たちの警察の能力を向上させていくか。市民と警察との関係がより良くなるようにどうするか。

私がひとつ気づいたことは、警察に必要な訓練をするというのは、また別の話です。必要な訓練、必要な機材など、それは一側面です。それとは別に、必要な精神的な面で補充してあげる必要があります。私たちは(国民)同士です。私たちの警察官が自信を持てるようにならなければなりません。彼らも自分たちで改革していける能力を持っていることを信じなければなりません。

これを書いた人も元警察官だったわけですから、警察官の中にも本当に国のことを想う人がいるということは否定できないことが分かります。ですから、私たちは、建設的な見方で改革するようにやっていただきたいのです。過ちを探す見方でやってほしくありません。

制服を変えても、精神的な面が変わらなければ、意味がありません。精神的な面が変われば、制服が市民の目にも違ったものに映るようになるはずです。警察官を見かけた時に、「私たちにとって頼りになる人だ」と見るようになるように、私たちはしたいのです。

ある国では、警察を市民が尊敬し、頼りにしています。何か問題が起きたら、警察の元に駆け込みます。たとえば、迷子になっている子供がいても、警察のところに連れていって、信頼して、警察に預けます。警察が最善を尽くしてくれることを知っています。そのような状況に私たちの国もなるように私たちは努力します。

この場を借りて、私が私たちの国の警察官に申し上げたいのは、「がっかりしないでください。落胆しないでください。改革は可能です。しかし、それは皆でともに努力してやらなければならないことです」。制服を変えるかどうかは、もっぱら警察でやればいいことです。
これは政治についてです。

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