ミャンマー最大の都市ヤンゴン【撮影:アジアプレス/FILE】

 

パリに本部を置く国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」は16日、フランスを訪問したミャンマーのテインセイン大統領宛に公開書簡を発表した。
書簡は、軍事政権時代にミャンマーで死亡した6人のジャーナリストに関して、その死の真相を究明する調査委員会設置を求める内容。6人のなかには、2007年のサフラン革命で国軍兵士に銃殺された日本人ジャーナリスト長井健司さんも含まれる。

「長井さんの死は、映像として記録された唯一のケース」とし、長井さんのビデオカメラ返還と正義の回復を求めている。
残りの5人はミャンマー人で、1991年に獄中で死亡した、朝日新聞の元現地特派員ネウィン氏や風刺漫画家のバトーことマウントーカ氏、1998年8月にタラワディ刑務所で病死した新聞編集者のソーウィン氏の名前が挙げられた。

そのほかに、1999年9月に情報機関の尋問センターで死亡した国営紙「チェーモン」の写真記者ターウィン氏や2003年5月に地方遊説中のアウンサンスーチー女史一行が襲撃されたディペーイン事件で亡くなったカメラマンのティンマウンウー氏についても言及している。
書簡は、「こうした殺人を放置せず、その責任を問うことは、ミャンマーの国民和解と人権の保証に向けた歴史的な一歩となるだろう」と述べ、報道の自由が拡大しつつあるミャンマーで改革がさらに進展することを大統領に求めた。
【赤津陽治】

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