8月14日、5日間の停戦に入ったパレスチナ・ガザ地区。1900人を超えたイスラエル軍の攻撃による死者は、今後も増えることになるのか。女性や子どもを含む一般住民に多数の犠牲者が出ているガザ現地から、古居みずえの現地報告。(アジアプレス編集部)

笑顔の陰で傷ついている子どもがたくさんいることを知ってほしい。(8月11日ガザ地区ハンユニスで) 撮影 古居みずえ)

笑顔の陰で傷ついている子どもがたくさんいることを知ってほしい。(8月11日ガザ地区ハンユニスで) 撮影 古居みずえ)

 

◆恐怖でおねしょをする子どもも... 8月16日

気が付いたら瓦礫ばかりを撮っていた。

どの写真も崩れ落ちた建物、傷つく子どもたち。人々で溢れる国連の避難所、水を求める人々。そんな中でも子どもたちは明るい表情をするときがある。

しかし話を聞いてみると子どもたちにとってこの1カ月にわたるイスラエル軍による爆撃の影響は計り知れない。

爆撃のときは怖かっただろうに。どの家庭でも建物の上の階に住んでいる家族は一番下の階に降りてきて一室で夜を過ごした。下の階の方が攻撃されることが少ないと思うからだ。しかし、建物ごと爆破されたらおしまいだ。

子どもたちの中は、おしめをする子が増えているという。怖さで、おねしょをするからだという。攻撃の怖さのあまり、立てなくなった少年を病院で見か けた。3度のイスラエル侵攻を経験した子どももいる。最初のトラウマが癒せぬうちに、次の侵攻がある。子どもたちの心のケアはなされていない。
【ガザ地区 古居みずえ】

【ガザ攻撃】
6月末、パレスチナ暫定自治区ヨルダン川西岸で行方不明になっていたイスラエル人の少年3人の遺体が発見され、イスラエル政府はイスラム原理主義組織ハマスの犯行だとして非難。今月初めにはこれに対する報復と見られるパレスチナ人少年殺害事件がエルサレムで発生。少年は焼き殺されたと報じられたことから、自治区ガザで抗議が広がり、ハマスがロケット砲撃をおこなった。イスラエルはただちに報復を決め、本格的な空爆作戦を開始。爆撃は広範囲にわたりハマス幹部宅やロケット弾発射地点のみならず、民間の家や国連の学校の避難所、病院、モスクあらゆるところがターゲットとなっている。そのために4週間で1900人以上のパレスチナの犠牲者が出ている。そのほとんどが女性や子どもを含む民間人だ。またハマス側もロケット弾などで応酬を続け、イスラエルの犠牲者は64人、そのうち61人は兵士だ。ガザ攻撃は過去にも何度も 起きており、2008-2009年にはパレスチナの死者はおよそ1400人、イスラエルの死者は13人である。

 

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