ウィラトゥ僧正の宿坊の横に張り出されたポスター類。国内外で虐殺された仏教徒たちの写真が大きく飾られていた(撮影:宇田有三)

ウィラトゥ僧正の宿坊の横に張り出されたポスター類。国内外で虐殺された仏教徒たちの写真が大きく飾られていた(撮影:宇田有三)

 

ウィラトゥ僧正は、数千人の僧侶を擁する新マソーイェイン僧院の中に、自らが直接指導する宿坊を持っています。私が見たところ、彼の下で数十人の僧侶が修行をしていました。

そのウィラトゥ僧正の暮らす僧院に足を運んで驚きました。宿坊のすぐ外に、アウンサンスーチー氏、スーチー氏の父親で独立の英雄アウンサン将軍のポスターと共に、国内外で虐殺された仏教徒たちの写真が大きく飾られていたことです。

この僧院で修行する他の宿坊の数千人の若者たちは、直接ウィラトゥ僧正から仏教の教えを受けないとしても、毎日これらの写真を目にしているのです。(つづく)

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ウィラトゥ僧正の宿坊のある、マンダレーの新マソーイェイン僧院。(撮影:宇田有三)

ウィラトゥ僧正の宿坊のある、マンダレーの新マソーイェイン僧院。(撮影:宇田有三)

 

宇田有三(うだ・ゆうぞう) フリーランス・フォトジャーナリスト
1963年神戸市生まれ。1992年中米の紛争地エルサルバドルの取材を皮切りに取材活動を開始。東南アジアや中米諸国を中心に、軍事政権下の人びとの暮らし・先住民族・ 世界の貧困などの取材を続ける。http://www.uzo.net
著書・写真集に 『観光コースでないミャンマー(ビルマ)』
『Peoples in the Winds of Change ビルマ 変化に生きる人びと』など。

 

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