今年2月8日の衆議院選挙で自民党が「高市人気」に便乗して大勝し、1955年の結党以来、最多の316議席を獲得した。自民党単独で衆議院の全議席の3分の2を占める。今後、高市早苗首相の独善的な政権運営がエスカレートし、自民・維新政権が力を入れる「スパイ防止法」制定に向けた危うい動きも加速するにちがいない。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)
◆国会議事堂へと響く「スパイ防止法反対」の声
政府は今夏、「スパイ防止法」に関する有識者会議を設け、法案の具体的な議論を始める見通しである。その議論と与党の提言を踏まえて、いまの特別国会の次の国会以降に法案提出を目指すという(『朝日新聞』2026年2月17日朝刊)。
「スパイ防止法」は政府による国民・市民監視につながり、「表現・言論・結社の自由」と「知る権利」、「報道の自由」、プライバシーの侵害などをもたらす。その根底には、戦争反対の声を封じて、日本をふたたび「戦争をする国」に変えようとする狙いが秘められている。
自民・公明連立政権下で特定秘密保護法の制定、盗聴法(通信傍受法)の改正(盗聴対象の拡大など)、共謀罪を新設した改正組織犯罪処罰法の制定、土地利用規制法や重要経済安保情報保護活用法や能動的サイバー防御法の制定など、「知る権利」を侵害し、国民・市民監視を強める一連の国家秘密法制と治安立法の強化がなされてきた。自民・維新連立の高市政権がもくろむ「スパイ防止関連法制」も、その延長線上にあり、戦争体制づくりの一環である。
今年1月23日、通常国会の冒頭で、高市早苗首相はあからさまな自己中心の権力拡大の思惑と党利党略から衆議院解散、総選挙に打って出た。その日、正午、国会議事堂そばの衆議院第2議員会館前の路上では、高市政権が法案提出を図る「スパイ防止法に反対!」と唱える市民有志らの声が響いた。

市民団体「『秘密保護法』廃止へ!実行委員会」と「共謀罪No!実行委員会」共催の、「1・23大義なき解散許すな!戦争する国反対!国家情報局・スパイ防止法反対!国会開会日行動」である。
突然の衆議院解散で急な催しとなったためか、参加者は主に高年齢層の男女数十人と多くはない。だが、高市政権のもと大軍拡・軍事費(防衛費)膨張による戦争体制づくりが加速し、排外主義的な空気も広がりをみせるなか、一人ひとりの訴えからは、「スパイ防止法」が政府による国民・市民監視に使われ、憲法が保障するプライバシーと「知る権利」と「表現・言論・結社の自由」を脅かして、政府批判を封じることへの強い危惧の念が伝わってきた。
「戦前・戦中の軍機保護法、国防保安法、治安維持法といった国家秘密法制や治安立法が、人びとの自由を奪った『もの言えぬ』時代を再来させてはいけません」と、歴史の教訓を踏まえて、「スパイ防止法」への危機感を語る言葉が耳に残った。
次のページ: ◆「スパイ防止法」制定に前のめりの高市政権... ↓










![<北朝鮮>[写真・動画]栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も <北朝鮮>[写真・動画]栄養失調で衰弱する人民軍兵士「激やせ」で動けぬ者も](https://www.asiapress.org/apn/wp-content/uploads/2011/09/20130807-nk011k.jpg)












