◆戦争反対の声を封じる「スパイ防止法」
しかし、「外国代理人」とは「外国政府並びに外国の組織及び企業等の利益のために、国内で政治的又は宣伝的な活動を行う者」すなわち「外国の利益を代表して活動する者」という定義は、非常に曖昧である。政府当局の判断でいかようにも拡大解釈できる危うさがあり、恣意的に運用されるおそれがある。「外国代理人」は外国人に限定されず、日本人も含むとみられる。
そもそも「外国代理人登録法」を制定しなければならない立法事実(維新の会が定義する「外国代理人」に該当する者のスパイ活動、情報収集活動などが明らかになったという事実)があるのか。制定を目指す根拠そのものが疑わしい。
国家秘密法制の問題に詳しい海渡雄一弁護士(秘密保護法対策弁護団共同代表)は、昨年12月16日に参議院議員会館で開かれた、「第3回スパイ防止法を考える市民と超党派の議員の勉強会」での講演、「戦争の危機の深まりの中で、スパイ防止法は戦争反対の声を封ずる凶器となる」において、「スパイ防止法」制定の狙い、その危険性について次のように指摘した。

「2013年の第2次安倍政権による特定秘密保護法の制定以来、市民の情報を国家が収集管理し、国家の秘密を拡大し、その漏洩に厳罰を科す仕組みの整備が進んできました。この戦争体制のための国づくりの総仕上げがスパイ防止法です」
「スパイ防止法の本質とは何か。武器輸出禁止の国是が変わるなかで、日本の経済そのものが軍事化していく、軍需産業を経済の根幹にしていく過程が始まっています。スパイ防止法によって、政府批判や戦争反対の活動が犯罪として取り締まられるおそれがあります」
「スパイ防止法関連法制として『外国代理人登録法』、『外国勢力の活動登録法』といった名称の法律ができれば、外国人と交流することそのものが犯罪として位置づけられる可能性があるのです。たとえば日本人と中国人が交流を通じて日中の戦争が起きないように努力をしようという活動が、そこで何か重大な情報が洩れなくても、政府に登録されないでおこなわれていると、犯罪にされてしまうおそれがあります」
「市民団体が海外の市民団体と連携していると、『外国勢力』と見なされて監視対象にされかねません。日本の市民と(仮想敵国の)外国の市民の交流を(スパイ活動視して)監視し、交流できなくすることで、敵対関係を煽り、排外主義を煽る狙いが秘められているわけです。それは戦争をすることのイロハ、初歩といえます」
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