◆負傷兵を救護・処置する「安定化拠点」
戦闘で兵士が負傷すると、最初に搬送されるのが「安定化拠点」と呼ばれる場所だ。
ロシア軍と直接対峙する接敵ラインの少し後方に置かれ、蘇生や止血などの処置を施す。負傷兵の状態を一時的に安定させてから、設備の整った都市部の大規模病院へと送る。いわゆる野戦病院の一種ではあるが、応急処置をする中継地という側面が大きい。
安定化拠点もまたミサイルや砲撃で狙われるため、地下の掩蔽壕、バンカーに設置されることが多く、戦況に応じて移動する。


第5独立強襲旅団は、ドネツク州のバフムトでの激戦を経て、クラマトルスクとコスチャンティニウカ(コンスタンチノフカ)一帯の戦域に展開。熾烈な戦いを繰り広げる強襲旅団の衛生中隊の安定化拠点に入った。
防護壁で固められたフロアは、複数の区画に分けられ、人工呼吸器や超音波診断装置、簡易ベッドが並ぶ。
看護師として病院で働いていたイワン看護師(32)は、2022年の侵攻後に入隊し、衛生中隊に配属された。
「前線での任務に最初は恐怖もありましたが、それは次第に慣れていきました。むしろ瀕死の重傷を負ってここに運ばれてきた兵士たちの悲痛な姿のほうが心を重くし、それは幾度も経験した今も慣れるものではありません」


























