
北朝鮮政権が、国営商業施設での円滑な電子決済のために、工場を一定の時間止めて電力を回すことを義務付けたことが分かった。また、商業施設に発電設備の設置を許可し、太陽光パネルや、小型水力発電機、風力発電機の設置が広がっているという。金正恩政権は「無現金化」=キャッシュレス化を強力に進めており、常態化している停電によって電子決済に支障が生じている状況を何とか打開しようとする苦肉の策と見られる。北部地域に居住する取材協力者に2月末、現地の状況を詳しく聞いた。(チョン・ソンジュン/カン・ジウォン)
◆商業網への電力優先供給
――最近、国営商業施設への電力供給が強力に進められていると聞いた。
国営工場に優先的に供給していた電力を、最近は商業施設に回している。特に退勤時間帯に住民が国営商店を利用できるよう、電力供給を義務付けよと道人民委員会(地方政府)から指示が出た。商店や生活奉仕施設(理髪、縫製などのサービス施設)に電気がきちんと供給されている。
――国がそこまでして商業施設に電力を供給しようとする理由は何か?
電気がなければカードの電子決済ができないからだ。国は現金を使わないよう求めているが、電力不足で電子決済ができない問題を、商業施設が自ら解決せよという観点から、人民委員会を通じて指示が下された。
――電力供給は円滑になったのか?
ある国営工場の電力を遮断して商業網に供給し、その後はまた別の企業所に電力を供給するというように、時間割に従って電力を回しているだけだ。結局は『相互供給』という形で、円滑とは言えない。

◆商業施設で電力を「自力更生」で生産せよとの指示も
――商業施設は自力で電力を確保できるのか?
(当局が)商業施設による太陽光発電、小型水力発電、風力発電の設備建設を承認した。そのため、貿易会社が、「トンチュ」(「金主」の意、新興富裕層)らと結託し、太陽光パネルなどを輸入しているそうだ。
国は、商業施設は人が多く集まる場所であり、人民の利便のための奉仕施設であるとして、優先的に発電設備の設置を承認している。最近、企業の自律性が高まり、互いに競うように商業施設に直売店を置こうと努めている。























