ロシア軍から鹵獲した有線式自爆ドローン「ノヴゴロドのヴァンダル公」(KVN)の構造を説明するウクライナ軍・第24独立機械化旅団・無人機中隊のリース操縦士。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・アジアプレス)

◆ドローン製造拠点とロシア軍「ヴァンダル」解析

ドローンは戦争の形を大きく変えた。わずか数百ドルの小型自爆機が、車両や塹壕を正確に狙い、破壊する。熾烈さを増すドローン戦のなか、無線誘導を遮断する妨害装置(ジャマー)が導入された。だが、新たに出現した光ファイバーケーブル有線式ドローンは、ジャマーでは阻止できず、大きな脅威となっている。ウクライナ軍のドローン部隊拠点を取材した。全4回 1/4(取材・写真:・玉本英子) 

第24独立機械化旅団・攻撃無人機中隊の拠点。何十機ものドローンが積まれている。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)

◆戦場変えたドローン

東部ドネツク州に展開するウクライナ軍・第24独立機械化旅団は、ロシア軍との最前線で激しい戦闘を続ける。旅団の「攻撃無人機中隊」の拠点に入った。棚や作業机に積み上げられたFPVドローン機体や弾頭、バッテリー、そして工具の数々。そこは殺人兵器の製造現場というより、まるでミニ四駆の製作工房のようだ。

2リットルのペットボトルより少し大きいサイズのケーブルタンクは2.2kgの重さ。機体600gに大型バッテリー1.5kg、弾頭1.5kgを搭載するので、計6キロ近くになる。ゆえに速度は出せず、強風には弱いという。彼の部隊では、光ファイバー有線ドローンのことを「ピルン」と呼ぶ。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)
飛行距離15km用のケーブルタンク。内部は、リール状に巻いた細い透明の光ファイバーケーブルが入っていて、タンク後部から蜘蛛が糸を出すようにケーブルを垂らして飛行する。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)

「これが我々が使う無線式自爆ドローン。機体の下部に弾頭、上部にバッテリーを取り付けて標的めがけて突っ込む。そして、無線モジュールの代わりに、このケーブルタンクを取り付けたのが、新型の有線式だ。タンクの中のスプールに光ファイバーケーブルが15km、コイル状にみっちり巻いてある。つまり15km先まで飛べるということだ」

50センチほどの大きさの機体を見せてくれたのは、無人機中隊のリース操縦士(33)。

キーウのベンチャー企業の金融部門のマネージャーだったが、侵攻直後に志願して入隊。当初は歩兵部隊のRPG対戦車砲担当で、のちに攻撃無人機中隊に配属された。操縦任務に加え、開発と運用を担当している。

RPG対戦車ロケット砲の弾頭部分。これを装着したドローンが装甲車に命中すれば、装甲を貫通する威力がある。破片弾や迫撃弾などを転用した複数のドローン用弾頭があった。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・アジアプレス)
機体前部にある針金の輪が撃針になっていて、標的に接触すると砲弾が爆発する。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)

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