◆鹵獲されたロシア軍・有線式ドローン「ノヴゴロドのヴァンダル公」(KVN)

ロシア軍が実際に使う自爆ドローンを見せてもらった。前線でウクライナ軍が鹵獲したものだ。いわゆる「ノヴゴロドのヴァンダル公(KVN)」と呼ばれるタイプで、ロシア北西部ノヴゴロドのウシュクイニク科学生産センターで開発されたとされる。

KVNドローンにRPG対戦車ロケット砲の弾頭を取り付けるロシア兵。(2025年10月・ロシア国防省映像)
ラップトップパソコンの画面で映像をモニターしながら操作している。パソコンの左に見えるのが、光ケーブルとコントローラをつなぐモジュールボックス。(2025年10月・ロシア国防省映像)
どのドローンもそうだが、テレビゲームで使うような簡単なコントローラーで操縦する。「人を殺す兵器」がゲーム感覚で操作できるようになった。(2025年10月・ロシア国防省映像)

ドローン筐体のシャーシにあたる部分が、薄黄色の板をくりぬいた正方形の形状になっている。プリント基板に使われるような板の分厚い形状のエポキシ樹脂積層樹脂板を打ち抜いて成型。本体の黒いモジュールボックスは3Dプリンタで作られ、量産化がはかられていた。正方形の形状は、無骨に見えるが、数機かさねて持ち運ぶときに握りやすい。

放熱板(ヒートシンク)を覆う黒いエンクロージャーケース部分。3Dプリンタで作られているのがわかる。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)
ロシア軍の光ファイバーケーブル。ウクライナ軍が使うケーブルとほぼ同じものだという。(2025年6月・ドネツク州前線・撮影・玉本英子)

日中用と夜間用高感度カメラが搭載されていて、パーツ構成を分析したところ、多くが中国製部品の転用だったという。電子機器を解析すると、飛行・運動アルゴリズムの8割はウクライナ軍のドローンとそう違わないことが明らかになった。光ファイバーケーブルのタンクは、3Dプリンタで製造したもので、スプールは20km飛行できる高密度ピッチになっていた。最近は40km以上飛べるタンクも登場したという。

「新しい兵器が出てくれば、その対策が生まれて、今度はそれを突破する新兵器や技術が出現する。戦争という空間のなかで、その繰り返しを目の前で目撃している」

リース操縦士は、厳しい顔つきで言った。

第24独立機械化旅団は、コスチャンティニウカ(コンスタンチノフカ)の前線地帯に展開。地図は2026年1月上旬時点の状況。(地図作成・アジアプレス)

※ 取材時から少し時間が経過しての掲載ですが、部隊配置などの情報を考慮して時間差が出ています。また任務中の兵士はフルネームが出せない場合があり、兵士のコールサイン(ポズブノイ)名で表記することがあります。

<ウクライナ東部>兵士の肖像 (1) 前線の衛生兵 「精神力は極真空手で鍛えました」(写真14枚)

 

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