◆再び形骸化した労賃…住民の選択は

また、労働者本人分に限った無償の食糧供給も経営状況に左右される。協力者によると、平均的にトウモロコシを月5キロほど支給しているそうだが、全くない職場もあるという。こうした著しい格差ゆえに、労働者が幹部を「無能」と批判したり、条件のいい企業へ移籍しようとしたりする動きが活発化したことを、アジアプレスでは2024年に報じている。

また、国営の便宜奉仕網(食堂や理髪、小規模商店、縫製などのサービス事業所)の場合、「通常、7万ウォン以上もらっている。企業との取引によって利益が生じる場合もあり、労賃以外にも追加で収入がある」と話す。

調査に際し、協力者は「一斉賃上げした当初だけはよかったが、今や労賃は形骸化してしまった。労賃だけでは生活できない」と話した。

結局、かつての状況に舞い戻ってしまったのだ。住民たちは他の収入源を探すしか道がない。次回は、労賃で不足する生計を補う要となっている「賃加工」について報告する。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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