◆「家族の会」による公開質問と両候補の回答全文 〔質問1〕 市長に当選した場合、今後どのようなアスベスト対策を実施されるお考えなのか具体的にお答えください。
【竹山修身候補の回答】 アスベスト対策については、「守るべきは市民の健康である」という方針のもと、今年4月から危機管理室に専任職員を配置し、各局間の連携強化を図りながら、市有建築物におけるアスベスト含有建材の使用状況の調査、分析やアスベスト対策に関するマニュアル、手順書の整備、改訂などを進めています。

また今年5月には、アスベスト対策を庁内横断的に検討し、総合的かつ効果的に推進していくため、市長を本部長とする「堺市アスベスト対策推進本部」を設置しました。この本部のもと、建築物の解体等におけるアスベストの飛散防止、アスベスト対策における市民の健康、アスベストに係る知識の普及・啓発の個別のテーマについて、関係課長からなる部会を設置し、具体的な検討を進め、アスベスト対策を推進していきます。 あわせて、この推進本部において、アスベスト対策に係る市独自制度の実施についても、検討を進めていきます。

【永藤英機候補の回答】 堺市はアスベストに対する認識が非常に甘く、ご指摘のように、堺市北部地域整備事務所の解体工事にあたって、大気汚染防止法によって課せられている発注者側の責務を怠り、茶石綿が規定値の約250倍も含まれている煙突を何ら対策を講じることなく解体し、隣接する保育園の園児らが吸引したおそれもある大事件を引き起こしています。

この事件については、「堺市北部地域整備事務所アスベスト飛散の検証に関する懇話会」が4回開催されて事件の究明等にあたっていますが、市長みずからこの懇話会にて発言した様子がありません。トップマネジメントの欠如は明らかであり、アスベスト対策推進本部の本部長でもある堺市長がこのような姿勢では、多くのアスベスト被害に苦しまれている方々を十分支援できているとは思えません。

私は、大阪維新の会の、サポートが本当に必要な方には徹底してサポートしていくという理念に全面的に賛同しています。行政は、アスベスト被害に苦しんでおられる方が市民生活をおくる上で困難を感じることを全力で減らしていくべきだと考えており、行政の専門家を交えて具体策を早急に検討する考えです。

〔質問2〕 アスベスト対策について条例制定を任期中にされるおつもりなのか。また、そうである場合、どのような条例を制定されるのかお聞かせください。あるいはそれが必要ないというのであれば、その理由についてもご回答ください。
【竹山修身候補の回答】 アスベスト対策の条例制定については、今年5月に設置した、「堺市アスベスト対策推進本部」において、アスベスト対策に係る市独自制度の検討を進めています。 その中で、アスベスト飛散防止に向けた効果的な制度に関する検討を進め、市独自制度の実施について、条例の制定も含め精査していきます。
【永藤英機候補の回答】 大気汚染防止法の改正を受けて、大阪府生活環境の保全に関する条例がすでに制定されていますが、堺市において重大事件が発生していることに鑑み、新たな条例の必要性についても早急に検討してまいります。(了)【井部正之・アジアプレス】

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