◆ ラッカIS支配地域から逃れてきた避難民女性
武装組織「イスラム国」(IS)が支配を続けてきたシリア・ラッカでは、現在、クルド人とアラブ人の合同部隊であるシリア民主軍(SDF)がアメリカなどの支援を受けながら激しい戦闘を繰り広げている。すでにラッカはSDFが包囲し、市街に残るISとの攻防戦となっている。ラッカの最前線で取材を続けるクルド人記者ハイサム・ムスリム氏(30)に8月下旬電話で話を聞いた。(聞き手・玉本英子・アジアプレス)

7月、過激派組織「イスラム国」が支配してきたラッカ市内から避難民キャンプに逃れたシャムサさん。「毎日が地獄のようだった」と語る。(8月中旬ラッカ郊外にてハイサム・ムスリム撮影)

【ハイサム記者】
ラッカ北方のアインイサ・キャンプには国連などの支援で、現在およそ2万5000人の避難民が身を寄せています。ラッカや、その周辺地域から逃れてきた人たちです。1か月前、シュハーダ地区から逃れてきた女性、シャムサ・モハメッド・シャワークさん(58)と家族6人に出会いました。戦闘が激しくなったため、着の身着のままで、地区住民300人とともに徒歩と途中から車で逃げてきたということでした。

ラッカ市内では激しい戦闘が続いている。市内シュハーダ地区での有志連合による空爆。(8月上旬ハイサム・ムスリム撮影)

ISとの最前線で戦うシリア民主軍(SDF)の戦闘員たち。米軍などからの支援を受けている。(8月上旬ラッカ市内でハイサム・ムスリム撮影)

ラッカでは女性の多くは家に閉じこもっていたと聞きますが、内戦前に夫を病気で失ったシャムサさんは買い物など外に出る必要がありました。IS支配下の生活は「厳しい規則、生活困窮で、地獄のようだった」と言います。

シャムサさんは言います。
「ISは町を支配下に置いてから、一部の政府機関を除いて、警察などもすべてIS関係者に変わりました。彼らは通りに出て人びとを監視しました。外に出る時、頭からすっぽりと覆う黒いヒジャブを身につけ何事も起こらないことを祈り続けました。銃を持った外国からのアラブ人のほか東洋系のアジア人の顔つきの人も見ました」
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