6月以降も厚労省と話し合いを続けている大阪アスベスト弁護団の伊藤明子弁護士は「抜け落ちる人はもっといる」と指摘する。

「たとえば運送業の人は(厚労省が今回調べた)石綿工場というカテゴリーで上がってこない。建設労働者で労災認定されていても、若いときに石綿工場で働いた人なんかも厚労省のデータからもれてしまう。石綿工場以外でも、この前うちの弁護団で和解したのは豆炭あんかの製造と自動車の整備をしていたケース。これも対象になり得るのですが、厚労省リストからはもれる可能性がある。それをなくすためには全部紙ベースで調べてもらう必要がある。大阪などは大変かもしれないが、年金の話などではできるのだからできない話ではないはずです」

こうした問題点についてもすでに厚労省には伝えてあるが、国側がどこまで対応するかは不透明という。

伊藤弁護士らは同省に「現在の抽出では漏れる人が相当数いる。むしろ労災認定者全員に送付した方がいいのではないか。『過不足』の『過』になってもいいので、『不』にならないようにしてほしい」と訴えた。

筆者に対して同省の橋口補佐は「検討中」というのみだったが、弁護団には「問題意識は持っている。漏れる人に対して将来的に個別送付しないとは言わない」「漏れる人への対応は次の段階として考えたい」などと回答しているという。

今回の通知は本来なら泉南アスベスト訴訟最高裁判決からすぐ実施されていなければならなかったはず。すでに「3年遅れ」である以上、徹底した対応を望む。【井部正之/アジアプレス】

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