2017年3月19日に堺市北部地域整備事務所で除去した煙突内のアスベストを袋詰めするようす(情報公開で入手)

 

今回もアスベストの「取り残し」をいつ市が知ったのかをめぐる市のウソが明らかになった。そして、市が「(存在し)ない」と言い続けてきた煙突内のアスベストの取り残しについても、分析機関の指摘どおり、煙突内の複数の箇所で確認された。

市側は都合の悪い事実はひたすら否定することで乗り切ろうとしてきたが、そうしたウソがいくつも暴かれてきたのが実態だ。

市が否定する担当者の発言も市にとっては隠ぺいの事実を認める決定打である以上、認めるわけにはいかなかっただけではないか。

今回除去工事直後からアスベストの取り残しが存在することを市が認識していた事実が明らかになった。これにより、今回の煙突内のアスベスト除去をめぐってはすでに2度にわたって取り残しの指摘を受け、それぞれ「清掃」と称して除去してきた。つまり、市側は「取り残し」が何度も見つかり、その対応の必要性を十分認識していたということだ。

しかし、2017年4月15日の3度目の指摘に対しては、市の主張では5月中旬とされるが、いずれにせよその事実を知りながら放置した。ふつうなら驚がくしてすぐ事実確認に入るはずだ。

ところが、市はそうしなかった。

今年2月15日以降この件が指摘され、長谷川俊英市議がすぐに事実確認するよう市に対して求めたが、それすら無視した。一方で、2月26日の「家族の会」との話し合いでは、元請け業者と下請けのアスベスト除去業者のみ同席させ、工事は問題なかったと繰り返した。

こうした経緯から、実際には前出の「取り残しは記録する」との市職員の発言があったと考えるほうがつじつまが合う。市側が取り残しの指摘を知っていたからこそ、分析機関に事実確認するわけにいかなかった。だからこそ、工事が不適正だったとの証拠になる報告書の記述をページごとこっそり削除させて隠ぺいを図るしかなかった。これが真相ではないか。

市は取り残しの指摘が報告書にあったことは認識していたにもかかわらず、事実確認をおこたった理由をいまだに説明できていない。今後、堺市はどのような釈明をするつもりなのだろうか。

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