20031226_01_02.jpg*野中 神崎代表はオランダ軍司令官の話として「散髪に行くときは護衛もつけていない」などという意味の発言をした。小泉政権は何がなんでも、「自衛隊の行くサマワは安全」と思わせたいらしい。
*綿井 神埼代表はクウェートの記者会見で、「サマワ市内は比較的平穏で、オランダ軍司令官は防弾チョッキも着けずに単身で散髪にでかける」という話をしたらしい。さらにオランダ軍兵士は街に出るときヘルメットをかぶらなくてもいいという説明を受けた。ところがです。11月26日、ぼくがサマワにいたとき、オランダ軍の兵士が4、5人銃を持って道端にいるところに出くわした。何を警戒してるのかと思って近づいてみたら、司令官がまさに床屋で散髪していたんです。

散髪しにぶらっときたのではなく、店の中にも外にも、道路にも武装した兵士がいるという警戒態勢。軍用車に乗っている兵士はヘルメットを被っていたんです。3時間半の視察で現地の治安状況を知ろうとするのなら、実際に街を回って、せめて地元の住民と話をしなければいけない。司令官の説明だけで現地の状況を判断する「視察」であれば、それはほとんど意味のない視察です。

*野中 米軍とオランダ軍に守られてVIP扱いで現地を見ているわけだよね。ああいう形であればどこでも一定の安全は保たれる。与党のひとつ、公明党の代表がサマワに行って安全を確認してきたというパフォーマンスの意味が強い。
*綿井 そうですね。「ただ現地に行ってきました」というだけの話です。

*野中 オランダ軍司令官の散髪はたまたまビデオを撮ったの?
*綿井 住民とコミュニケーションをとるために散髪に来ているらしいのですが、一人でぶらっと来ることはありません。司令官が現地の役所や警察に行く時も必ず護衛がついています。オランダ軍への襲撃計画もあったし、彼ら自身も狙われる存在であることをわかっています。先日もデモ隊に発砲することがありました。神崎発言でもうひとつおもしろかったのは、現地の子どもたちがオランダ軍の兵士に向かって手を振っているのを見て「オランダ軍は歓迎されている」と思ったことです。

バグダッドが陥落したときも子どもたちは米軍に手を振ったし、2年前にアフガンでタリバン政権が崩壊したときのカブールも、当時の北部同盟の兵士に手を振っていました。アフガン人は「5年前、タリバンが来たときも手を振りました」と言っていました。現地の人たちは新しい権力者に従うしかない。あえて敵意を見せるようなことはしません。ましてや子どもにとっては兵士自体が珍しいわけです。

日本テレビの従軍カメラマンは、米兵に見せた子どもたちの笑顔を見て「この戦争はやってよかったのかな」と語っていたけど、非常に単純で未熟な見方だと思います。確かに、自衛隊は現地に行っていきなり銃を撃ったり、武装勢力の掃討作戦をやったりするわけではありません。しかし、小泉総理が言うような「戦争をしに行くわけではない」「武力行使をするのではない」という説明は戦地では通用しない。(続く)