市場に並ぶ若い女性向けの髪留め、髪飾り、リボン。どれも中国製だ。この外国製商品が、朝鮮の若者に外部のファッション情報を伝える媒体となっている。(2005年5月平安南道 リ・ジュン撮影)

 

ファッション、社会への不満そして希望 1
北朝鮮から中国に脱出してきた三人の10代の女性へのインタビューをお伝えする。
共通しているのは、中学校を卒業して社会に出た後、がんじがらめの北朝鮮社会にうんざりして、自分の意思で祖国を後にしたことだ。

硬直し統制だらけで、貧しいまま将来の展望が見えない北朝鮮にいるより、危険を冒してでも中国に脱出して、新しい世界で自分を発展させたいと、三人の朝鮮の若き女性は考えたのだった。
三人の言葉からは、北朝鮮の若者たちが精一杯おしゃれに気を使っていることが伝わってくる。

日本や韓国のようにファッション専門雑誌はないし、あれもだめ、これもだめと、うんざりするような統制の中でも、若者たちは外の世界の流行を、少ない情報の中から敏感に感じ取り、おしゃれに取り入れていたのだった。
なお、三人の女性の氏名は仮名である。年齢は満年齢を記載。

文中に出て来る物価はインタビュー当時のもの。参考までに、北朝鮮の一般的な労働者の月給は一五〇〇縲恣ワ〇〇ウォン。白米一キロが二〇〇六縲怐Z七年はおよそ九〇〇ウォン。トウモロコシはその約半分だった。インタビュー時、日本円一〇〇円は約二七〇〇ウォンが実勢レートであった(現在は約三三〇〇ウォン)。
取材:キム・ヘギョン、リュウ・ギョンウォン、石丸次郎
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