"辺境"の風景(中)

※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署名を「宇田有三」に統一します。

カチン州の北、最北の分かれ道に位置するダズンダン村。ラワン人の村人の大多数がキリスト教徒である。移動宣教師隊の集いでミサが開かれ、聖書(ラワン語)を読む村人。

カチン州の北、最北の分かれ道に位置するダズンダン村。ラワン人の村人の大多数がキリスト教徒である。移動宣教師隊の集いでミサが開かれ、聖書(ラワン語)を読む村人。

 

私が歩いたプータオ以北のラワン人地域の村は、英国による植民地政策の名残のため、キリスト教を信じるところがほとんどであった。そう、今でこそカチン州の北部は観光資源が豊富で、一般の外国人にもその地を開放しようという空気が出始めている。ところが、十数年前までは、外国人の立ち入りは厳しく制限されていた。

今も昔も、外国人訪問者のプータオでの宿泊先は、なんと軍の基地の中にある。つまり、いったん兵舎の中に建つ宿舎に観光客を閉じこめてしまうと、彼らは自由に町の中を歩き回ることができないのだ。

そうしなければならない理由の一つに、プータオ以北に、外国人、とりわけ宣教師の流入と活動を防ごうという軍政の意図があるそうだ。基地の外にも外国人の泊まることのできる宿舎があると聞いているが、確認できていない。

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