◇姿を消す治安部隊
インド支配地域カシミール(以下カシミール)では、2008年、10年と2度にわたり、10代から20代の若年層を中心とした大規模な抵抗運動が起きた。そのスタイルは従来の銃を使った武装闘争ではなく、パレスチナのインティファーダにならった投石を中心としたものに変わった。
この運動は多くの犠牲者を出したが、インド政府に与えた衝撃は大きく、政府はカシミールの夏の州都スリナガルから、部隊を撤退させた。これ以上市民を刺激しないため、とみられる。
街は一見平穏に見える。だが、真の平和は訪れてはいない。
【スリナガル 廣瀬和司】

カシミールでは2008年、10年と大規模な抵抗運動が起きた。多くの犠牲者を出したが、インド政府に与えた衝撃は大きかった。写真は20年以上の長きにわたってインド治安部隊の大きな陣地があった場所。現在、兵士の姿はなく、建物も完全に撤去されていた。政府がこれ以上市民を刺激しないよう、部隊を撤退させたとみられる。(カシミール・スリナガルにて2013年9月撮影:廣瀬和司)

スリナガル市内の繁華街では、人びとだけが忙しそうに行きかっていた。(カシミール・スリナガルにて2013年9月撮影:廣瀬和司)

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