Q. 実際ミャンマー人やラカイン人のフラストレーションはたまっているのですか?
A. これまで説明してきたように、国際社会のミャンマーに対する無理解は、国内でフラストレーションとまではいえませんが、ある程度存在します。

実際、バングラデシュとラカイン州の州都シットゥエーでロヒンギャ支援に当たっている現地の人に話を聞くと、「メディア・ビジネス」「援助・ビジネス」がお盛んだから仕方ないよね、っていう話になりました。つまり、メディアは「ロヒンギャ問題」を扱うことによって記事や番組が売れ、NGOは援助資金が得られるんだ、と。

確かにロヒンギャ難民は絵(映像)になり、問題の背景を知らずに迫害されている「ロヒンギャ族」を救え、というのは単純化しすぎだ。という話でした。

Q.アウンサンスーチーさんはどのように発言しているのですか?
A.外国メディアは、スーチー氏がロヒンギャ問題に積極的に発言していないという態度を指摘して、「沈黙するスーチー氏」という報道をしています。ただ、スーチー氏が必ずしも静観しているのではありません。ここまで説明してきましたように、「ロヒンギャ問題」は複雑であるので、この問題を単純化して、人びとの感情を煽らないように十分に注意しているのです。(つづく)

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宇田有三(うだ・ゆうぞう) フリーランス・フォトジャーナリスト
1963年神戸市生まれ。1992年中米の紛争地エルサルバドルの取材を皮切りに取材活動を開始。東南アジアや中米諸国を中心に、軍事政権下の人びとの暮らし・先住民族・ 世界の貧困などの取材を続ける。http://www.uzo.net
著書・写真集に 『観光コースでないミャンマー(ビルマ)』
『Peoples in the Winds of Change ビルマ 変化に生きる人びと』など。

 

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