ロヒンギャ・ムスリムの難民キャンプ内の市場にバナナの幹を運ぶ男の子。(ラカイン州にて撮影 宇田有三)

ロヒンギャ・ムスリムの難民キャンプ内の市場にバナナの幹を運ぶ男の子。(ラカイン州にて撮影 宇田有三)

<特別連載>ミャンマーのロヒンギャ問題(1)へ

Q. そういえば、ミャンマー族、ラカイン族に関しては説明があったのですが、カレン族、カチン族、モン族、シャン族など他の少数民族の「ロヒンギャ問題」に対する態度はどのようなものなのですか?
A. 基本的に、軍事政権と少数派民族は長らく銃火を交えてきました、つまり<軍政ビルマ族>対<少数派民族(カチン、カレン、ラカイン、モン…)>という構図でした。そのため、ラカイン人以外の少数派民族は、ロヒンギャ問題に触れることで少数派民族の結束を弱め恐れがあるため、ラカイン人の立場を尊重してこの問題には深く関わろうとはしませんでした。

Q. それでは、他のムスリム集団(バマー・ムスリム、パンディー・ムスリム、インド・ムスリムなど)のロヒンギャに対する姿勢はどうですか?
A. マンダレーでパンディー・ムスリム、ヤンゴンでカマン・ムスリム、バマー・ムスリム、インディアン・ムスリムたちに話を聞く機会がありました。その回答はほぼ全て同じでした。「ロヒンギャたちはミャンマー国民ではないから、ミャンマーにいるのは適当ではない」
他のムスリムは、ロヒンギャ・ムスリムがあくまでも「国籍を持っているか」どうかで判断していました。

また、これは個人的な印象ですが、他のムスリムたちはロヒンギャ・ムスリムと自分たちを同じムスリムとして一緒に欲しくないという印象を受けました。彼らはバングラデシュのムスリムなのだから、と。

Q.それはなぜですか?
A.やはり、ミャンマー国内ではロヒンギャはトラブルメーカーだという誤った認識でしょう。
我々ムスリムは、上座仏教徒の多数派が暮らす社会で、問題を起こすことなく暮らしているのに、厄介事を持ち込むな、ということです。ロヒンギャがトラブルを起こしている訳ではなく、実はトラブルに巻き込まれているのですが。

またシーア派のムスリムに話を聞くと、「その質問は敏感なことだから答えにくい」と返事をしてくれました。私が答えを促すように私が黙っていると、「やはりミャンマー国民じゃないから」と、まるで独り言のように返してくれました(ロヒンギャ・ムスリムはスンニ派)
次のページ:国際社会の取り組み「ロヒンギャ問題」は優先順位が低かった…