◆IS支配地域からの避難民児童740名が転入

イラク各地から避難してきた児童たち。ほとんどが数年ぶりの小学校だ。写真は6年生のクラス。(10月下旬撮影・片野田義人)

イラク各地から避難してきた児童たち。ほとんどが数年ぶりの小学校だ。写真は6年生のクラス。(10月下旬撮影・片野田義人)

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10月末、イラク北部アルビル郊外でイラク国内避難民のための小学校が開校した。
校舎を建設したのは日本の支援団体IVY(アイビー・本部山形県)。イラク教育省に働きかけ、開校にこぎつけた。プレハブ建物や備品などは日本の政府開発援助の予算などからまかなわれた。

全校児童は740人で、ほとんどはモスル、アンバル、サラハディンなどイラク各地からの避難民だ。武装組織イスラム国(IS)の支配地域から家族とともに逃れてきた。多くは、これまで家にいるしかなかった。地元クルド自治区の子どもたちはクルド語での教育を受けるが、アラビア語しか話せない避難民児童はアラビア語教育の小学校への転校を希望する。しかし避難民が暮らす郊外地域から離れているため、バスなどの交通費を捻出できず、学校へ通えなかったのだ。

児童のほとんどが、小学校へ通うのは2、3年ぶり。現在、IS掃討作戦が続くモスルからの避難民、6年生のムハマッド・ガッサンくんは「やっと学校へ行ける」と笑顔を見せた。

「小学校が家から遠かったのでバス代が払えず行けなかった。近くに学校ができて嬉しい」と話す6年生のムハマッドくん。(10月下旬撮影・片野田義人)

「小学校が家から遠かったのでバス代が払えず行けなかった。近くに学校ができて嬉しい」と話す6年生のムハマッドくん。(10月下旬撮影・片野田義人)

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