質問1:国は1円の建設費も出さず、今治市が132億円を援助します。そのことを知っていますか。

・知っている(512件)        62.0パーセント
・知らない (314件)        38.0パーセント  
 
質問2:総額132億円を援助してまで、今治市に獣医学部を誘致する必要があると思いますか。それとも福祉、教育、地元企業の援助など、住民のために予算を使ってほしいですか。

・お金を使っても誘致してほしい (269件) 37.4パーセント
・住民のために予算をつかってほしい(450件) 62.6パーセント
       
質問3:今治市の借金は1328億円です。今後、高齢者福祉とか、子どもたちの医療・教育援助などが削除されていく可能性があります。心配ではないですか

・心配していない(137件)      19.7パーセント
・心配だと思う (696件)       80.3パーセント
 
調査の結果、「市民の多くはお金出してまで、大学誘致することは反対で、市の財政状況や今後住民サービスが十分に行われるか、について不安に思っている」と分析している。

◆大学のために77億5000万円を投じた千葉県銚子市~40億円もの赤字

さらに、黒川さんは、「土地まで無償譲渡する必要はあるのか」「建設費などにかかる費用は県も負担することになっているが、決まった数字はなく、ゼロかもしれない。そうなると、市の負担は計り知れない」と警鐘を鳴らす。

加計学園は2004年、千葉県銚子市に千葉科学大学を開校。その際、市は92億円の補助金を提供し、市有地(9.8ヘクタール)も無償貸与している。しかも、補助金の大部分が市の借金だったことが判明。現地調査した黒川さんはこう語る。

「千葉科学大学建設による銚子市の税収増は、水道利用料などの財政効果が年間2億6000万円ほど。一方で、建設費支払いのための地方債負担は年間4億6000万円なのです。結局、銚子市は大学のために77億5000万円を投じたにもかかわらず、40億円も赤字を増やして財政破綻寸前まで追い詰められました。卒業生の多くも市に留まらず、期待された人口増にもつながっていない。同じことが今治市でも起きない保証はありません」

黒川さんらは12日、「建設地の無償譲渡は違法だ」などと指摘し、今治市の補助金差し止めを求める住民監査を請求した。

理由について、黒川さんは「文科省が加計学園獣医学部の設置を認可するか否かを審議中であるにもかかわらず、今治市は37億円の市有地を無償譲渡し、上物(校舎など)建設費用192億円の半分96億円を負担することを決定した」「文科省の学部認可権限をないがしろにするなど法令的な手続きを無視したものである。これは地方自治法に定める『自治体は法令に反して事務を処理してはならない』に違反する」と指摘している。(了)【矢野 宏/新聞うずみ火】

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