アフリン攻撃では空爆や砲撃による住民の犠牲があいついでいる。アハメッド(10)は病院に搬送されたものの亡くなった。(1月31日・アヴリン病院・市民提供)


◆あいつぐ住民犠牲

アフリンに対するトルコ軍と自由シリア軍など武装諸派の合同作戦が開始されてから2週間。クルド・人民防衛隊(YPG)との攻防戦が続くなか、地元住民も空爆や砲撃によって多数犠牲となっている。アフリン市内のアヴリン病院で治療にあたる医師と直接連絡をとった。現地の通信事情が悪いため、テキストメッセージでやりとりしながら状況を聞いた。(玉本英子・アジアプレス)

医師:医療スタッフは昼夜交代24時間体制で治療にあたっています。医薬品が少なくなってきました。なによりも血液が足りません。Bマイナスの血液は、あと7バッグだけです。そして、手術を行なえる医師が圧倒的に足りません。攻撃前、この町には多くの医師がいましたが、アレッポへ逃げてしまったためです。現在、心臓の手術ができるのは2人、骨の手術ができるのは3人ほどです。

トルコ国境近くの町ラジョの住民3人はアフリンに避難する途中、トルコ軍機の爆撃で負傷。3人とも足や手を失うなど重傷を負い、写真の女性は両足を切断した。一部をぼかしています。(1月30日・アヴリン病院・市民提供)

数日前、ロシア軍兵士が負傷者の状況を知るために病院を訪れました。その時、家族を失った母親が「なぜ私たちを助けてくれないのか」とその兵士に詰め寄りました。兵士は「我々は何もできない」と言うばかりでした。母親は兵士につばを吐きました。兵士はその場に立ち尽くしていました。周りにいた人たちはみんな涙を流していました。

1月31日までにこの病院だけで48人の一般市民が亡くなりました。重軽傷者は86人にのぼります。赤ちゃんを含む、普通の人たちが犠牲となっています。医師として許すことはできません。
医療物資や医薬品も必要です。アフリンで起きていることを知ってほしいです。
次のページ:攻撃で犠牲となった女性と子どもの遺体 など3枚の写真...

★新着記事