◆第三者委員会の設置は?

同社報道グループに確認したところ、「今回の対応をふまえて対応を検討中です」(同)と明言を避けた。

また同社は「部門ごとに管理しており、原子力や火力発電所の工事においてはアスベストを事前に調査、把握する仕組みがあるため、今回のような不適正な処理は発生していないという認識です」(同)として、あくまで水力発電部門の問題と強調する。

だが、社内にきちんと統一されたアスベスト管理の仕組みがあれば防げたはずだ。そう指摘すると「そうですね」(同)と認める。それにしてもなぜ15年前の規制すら理解されていないのか。この点についても質したが、明確な回答が得られなかった。

同社は7月28日に所轄の労働基準監督署や長野県、岐阜県に事実関係を報告した。アスベストの事前調査義務違反もありそうだが、指導などは「いまのところ明確にはない」(同)という。

今回の不祥事公表に再発防止策が含まれ、コロナ禍やオリンピックの陰でほとんど報じられなかったことから、この問題はこれで終わったかのような雰囲気がただよっているがとんでもない。問われているのは今後の対応である。

2018年に安衛法第55条違反の問題が起きた津田駒工業は第三者委員会を立ち上げて検証した。金品受領問題が2019年9月発覚し当時の岩根茂樹社長らが引責辞任した関電は経営理念を刷新し「公正」「誠実」などを「大切にして行動」すると掲げる。今回の件はコンプライアンス委員会に報告されるというが、第三者委員会による検証まで進むのかは不透明だ。「ガバナンスが全く機能していない」と断じられた同社は相次ぐアスベスト対策の不祥事に対し、他社で「当たり前」の対応ができるのか。刷新された経営陣の手腕が問われている。