「国家戦略特区」については、政府のHPにはこれを突破口に「あらゆる岩盤規制を打ち抜いていく」と記されている。国会の議論も承認もいらず、法改正が必要な事項も、実験的に規制緩和が進められていく。以前「解雇特区」が話題になったことがあるが、「お試し」でスタートしても、特区内で成果が出たとされ、全国展開される懸念がある。

こういった規制緩和や自由貿易を望んでいるのは誰だろうか。有利なのは、たくさんの国で生産したり貿易をしたりする多国籍企業だ。日本の企業も当然含まれており、だから国内の規制緩和を経団連なども求めている。「米国対日本」ではなく、「企業対市民」なのだと思う。

TPP交渉は昨年10月に大筋合意し、先日は承認案、関連法案が閣議決定された。4月以降、国会で審議され、5月までに批准を目指すという。ただ、日米が批准しないとTPPは発効しない。米国大統領選では、トランプ、ヒラリー、サンダースといった有力候補は基本的にTPPに反対している。11月の大統領選後、新しい大統領で再協議することになるのだろうか。

TPPはまだ決まったことではない。全く油断はできないが、そのことを強調したい。

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