とりわけ、借家の場合、家主が補修してくれるのかどうか不安を抱えている人も少なくない。茨木市の橋本康介さん(70)、真樹子さん(68)夫妻もそんな一人。

借家が地震で一部損壊になった橋本康介さん。玄関には応急危険度判定黄色の「要注意」の紙が。

 

「大家さんが高齢なので、再建の意欲をなくして賃貸業をやめると言われたら、この歳で次の家を探さなあかんようになる。そうなれば難儀だ」

夫妻で7年前に物件を見た時、庭付きの平屋で住みやすそうだからと転居を決めた。

ところが、あの日の地震により築40年の住宅の屋根瓦がずれ、風呂場のタイルも剥がれ落ちた。応急危険度判定は黄色の「要注意」で、一部損壊と診断された。

雨漏りの応急処置のため、業者にブルーシートを屋根に張ってもらうよう連絡したが、なかなか順番が回ってこない。ようやく張ってもらったら、7月5日からの豪雨。

「ブルーシートが飛んだら部屋の中は水浸しになるから近くの小学校への避難も考えたが、少々雨漏りはしたけれど何とか持ったわ」

地震発生から1か月、橋本さん夫妻は今も身動きが取れない。

防災の専門家で兵庫県立大教授の室﨑益輝さんは、政府の緊迫感のなさを指摘し、「全国の瓦業者を大阪に集め、その交通費は国が持つといった支援をしないと、被災者はいつまでも取り残されてしまう」と警鐘を鳴らしている。

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