多数のヤズディ少年がIS戦闘員として戦わされた。この兄弟はイラク・モスルで自爆車両で突撃させられ、死亡した。(2017年・IS映像)

爆弾を満載した装甲車両で出撃するヤズディ少年。モスルのイラク軍装甲車を狙い、自爆を遂げた。ISは宣伝映像で「殉教戦士」などと表現。(2017年・IS映像)

子どもを戦争に駆り立てるのは、ISに限ったことではない。いくつもの国や組織が、「大義」のもとに少年を動員してきた。ナチスドイツは戦況悪化で少年兵を投入、日本でも沖縄戦で1500人以上の旧制中学生らが鉄血勤皇隊に動員され、半数が戦死している。

左足を失ったフアッドはいま、車イスの生活だ。
「医者や先生になりたい。でも、もう一度戦えるなら、前線に戻りたいな。その夢のほうが自分には近いかもしれない」
そう言って、彼は窓の外の景色を見つめた。

ISに拉致された母と弟は戻ってきたが、父は行方不明。妹2人はIS関係者に捕らわれたままだ。(アジアプレス撮影)

(※本稿は毎日新聞大阪版の連載「漆黒を照らす」2020年5月26日付記事に加筆したものです)

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