シム:二〇〇一年か二〇〇二年ごろに将軍様は中国を訪問しませんでしたっけ?
女性:そうです。ちょうどその訪問の直前でしたよ。

シム:ちょうど訪問する直前?
女性:二〇〇〇年だったか二〇〇一年だったか。もうずい分時間がたってるからはっきりしないけど。

シム:つまり将軍様が中国訪問をする前にそんな事件があったということ?
女性:はい、その前です。全部燃えてしまったんです。

シム:それなら、将軍様の中国訪問があるから、行事関係の車が通るので保衛部が特別警備をしてたはずだけれどな。
女性:そうですよ!

シム:それなのにぱっと燃えてしまった?
女性:はい、ぱっとね。全部燃えてしまったんですが、「精神病者が絵の後ろでふざけていて燃やしてしまった」というような話がどこからか広まり始めたんです。私は、その話が保衛員たちの間から出て来たんではないかと見ています。

とにかく流言飛語が飛び交うのを恐れて、保衛員たちはすぐに遮断幕を下したんでしょう。
その後、燃えた絵には上に白い布を被せられて、もう一度、前の絵と全く同じ絵が描かれたんです。

シム:へえ、将軍様が燃えつきてしまった絵を見る前にさっさと?
女性:そうですよ、仕上げてしまった。

シム:おお、その火事はいったい誰の仕業なんでしょう?
女性:本当ですよ。

シム:奇妙ですね。
女性:本当に不思議です。
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