咸鏡北道の少年団幹部の夏合宿で、表彰された生徒と記念写真を撮る先生(2006年7月 リ・ジュン撮影)

咸鏡北道の少年団幹部の夏合宿で、表彰された生徒と記念写真を撮る先生(2006年7月 リ・ジュン撮影)

 

授業
ワン:中学校にはどんな科目があるの?
ギョンエ:科目数でいうと、一五~六あります。
まず、「革命活動 一」、「革命活動 二」。「革命活動」(注1)は一年生と二年生では内容が違ってて、四年生では「オモニの幼少期」(編集部注 どんなものか不明)があるんです。

それと「文学教科書」、「国語」。それから「地理」、ほら、あの地図を見るやつ。あと、「朝鮮史」、「世界史」、「音楽」、「体育」、「数学」。
それに「物理」、「電子工学」、「化学」、「ロシア語または英語」、「美術」。美術は三年生まで習います。それと「漢文」。これは中国の文字のことです。これも四年生まで習います。それから「自動車」。

ワン:自動車? じゃあ、君は自動車、運転できるの?
ギョンエ:まさか。先生だって運転なんかできませんよ。

ワン:授業中のクラスはどんな感じなの?
ギョンエ:寝てる子もいるし、勉強してる子もいるし。でも先生は叱りもしません。

ワン:先生もやる気がないんだね。先生は配給をもらってるんだろ?
ギョンエ:はい。先生はもらってます。生徒が援助してあげてる分もあるし。
勉強ですか? 男の子たちは眠くなったら、教科書なんか放り出して寝てましたね。

それにカバンを持たずに登校してくる子もいるの。ボールペン一本だけポケットに入れて。カバンは四月一日の始業式のときに一度ノートを入れてくるだけで。その後は一年間ずっと置きっぱなし。何もかも全部教室に置いて帰って、ボールペンがなかったら女子のカバンから勝手に出して使うし。
出たくない授業は出ない。戻ってきて「どこ行ってた?」って聞かれても「飯食いに行ってました」って言えば、先生は叱りもしないんです。

ワン:授業中にそんなことしたら、先生たちもいい気はしないだろ。
ギョンエ:そうですよね、いい気しませんよね。生徒たちがちゃんと勉強しないんですもん。文学のテストをやっても、ものすごく綴りを間違う生徒もいます。
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