いずれ現在の古い経済制度は全面的に崩壊するだろう。その時が歴史的な新しい秩序創造の大きなチャンスになるはずだ。
このチャンスを、人民が豊かに暮らすことに貢献する正常な国家建設のために正しく利用するのか、それとも不正腐敗と権力ばかりが幅を利かせる世の中のために利用することに終わるのか、今はその岐路にある。これが第三の理由だ。

第四に、現在すでに、共同所有や社会動員的労働が有名無実化し、縮小していく一方で、個人の蓄財熱は高まっており、所有意識が強固となって「労働とは稼ぐことでなければならない」という労働観が登場した新しい時代に入ってきていることがある。その象徴が「実利主義」だ。
以前は働かなくても「恩恵は分け隔てなく」受けるというのが、党が導く社会の美徳であり、党幹部は率先してその先頭に立たなければならなかった。今は富が富を呼び、貧しい者はますます貧しくなる社会現実がある。

にもかかわらず、形だけの古びた制度の下で人民を貧困に追いやり、幹部は幹部で、この「実利主義」のスローガンの下、個人蓄財に目の色を変えている。
「実利主義」で行くなら、すべての人に金儲けの機会を平等に保障すべきだ。少なくともそれは中国くらいの水準はなくてはならない。個人蓄財や新しい労働観がすでに定着した今日においては、それにふさわしい経済制度をうち立てて、一人ひとりに平等な機会が与えられるべきである。
(つづく)

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