小児がん病棟で。ファルージャから来たザイナブ・サレムちゃん(12)と一緒に写真を撮る。「勉強は嫌いだから学校へは行きたくないな。家には大きな畑があって、きゅうりをつくる手伝いをしている。早く病気を治して将来は野菜売りの仕事がしたい」と笑った。

 

玉本英子 現場日誌
4月10日 バグダッド
日本のNGOが支援するこども中央教育病院をたずねた。
この病院は2003年に来たことがある。
ベットも以前は一部屋に8台だったのが、4台になっていた。衛生管理など格段によくなっているように感じる。
私が病室をまわると、何人かのこどもが食い入るような目で私を見た。
東洋人を見たのがはじめてだからだ。
「テレビの人だ」。一人の女の子が私に向かって言った。
イラクのテレビでは数年前、韓国ドラマが放映され、大ヒットした。彼女はそれを見ていたという。イラク人にとっては東洋人は、みんな同じ顔に見えるので「テレビで見た人がここにいる」と思ってしまったのだろう。
イラクでは今でも東洋人といえばジャッキーチェンだが、女の子のあいだでは韓国ドラマに変わってきているようだ。
この病院ではJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)が院内学級を設立、来月本格的にオープンの予定だ。
先生たちは日本のNGOの支援に感謝の言葉をのべるとともに、日本の震災についても心を痛めていた。
【バグダッド・玉本英子】

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