第二章
目標及び目的

第二条 連邦政府と民族武装諸組織は、次のことを協定の目標及び目的とすることに合意する。

(A)この協定に調印した者たちとの間で、停戦を受け入れ実行したのち、公正かつ長期的に安定した平和の実現のため、双方が合意した政治対話の枠組みを基礎に、参加すべき者がすべて参加する政治対話プロセスを開始すること。

(B)停戦関連協定の実行、規定遵守の監視、違反の調査、衝突の解決などを行えるよう、"停戦共同監視委員会"を設置していくこと。

(C)連邦政府と民族武装諸組織との間で締結された合意事項と約束を再確認すること。

(D)民族武装諸組織のレジスタンスに基づく政治的意思を理解し、連邦精神が堅固なものとなることをめざし、全土停戦協定に参加すべきすべての民族武装諸組織がともに調印すること。

第三章
停戦関連事項

第三条 この協定に調印した日より14日以内に、国軍と民族武装諸組織の責任者が協議し、停戦関連事項を明確な日程表を定めて実現していくことに合意する。

第四条 この協定に含まれる軍事関連ルールに関して、双方がお互いに遵守しなければならない停戦関連ルール及びすでに合意している軍事ルールを確実に遵守し実行することと停戦共同監視委員会の各レベルによる調査を受けることに合意する。

第五条 国軍及び民族武装諸組織は、部隊関連の事項に関して、次のことを遵守することに合意する。

(A)停戦地域内で双方の間で地域掌握のための、部隊の活動、哨戒、兵力の拡大、武力攻撃、地雷敷設、襲撃、物理的破壊及び侵攻を停止すること。

(B)互いに、好戦的なもしくは侮辱するような直接的もしくは間接的な行為をしないこと。

(C)配置において必要な兵站、緊急医療、部隊の交替に関する行為以外に、停戦地域における新たな兵力の補充、双方が合意している部隊基地以外に新 たに基地を建設すること、及び武器弾薬の補充をしないこと、及び祖国防衛のためであれ、国外の外敵からの防衛のためであれ、必要となった場合は、停戦地域 内で上記の軍事的準備を双方が協議のうえ行なっていくこと。

(D)宗教施設・学校・病院・診療所・寺院僧坊の塀内及び文化伝統慣習関連の場所、住民に関する場所内に軍事関連基地を設置しないこと。

(F)和平の進展に則って、双方の部隊が敷設している地雷を除去すること及び地雷除去プロセスを国家政府と段階的に協議し合同で行なっていくこと。

(G)組織間の敵対的な思想の流布、不正確なもしくは尊厳を貶める発言、名誉を毀損する発信を国内においても国外においても行なわないように努めること。

(H)停戦地域内で自然災害によって発生した緊急事態において、双方が合同で救援活動を行なうこと、医療物資の緊急輸送を協議して行なうこと。

(I)停戦地域内で法の統治の問題を協議して行なうこと、及び罪を犯した者を法に則ったものになるよう、双方が協議のうえ処罰すること。

(J)停戦地域内での部隊関連統治の事項を協議して行なうこと。

(K)全土停戦協定後24時間以内に、署名したことを自身の指揮下にある各レベルに通知すること。及び、協定に含まれる事項を5日以内に周知すること。

(L)双方の下部レベルで起きた衝突を軍事力によって解決しないこと。

第六条 民族武装諸組織の新兵招集の事項を全土停戦協定の実現と治安部門再統合プロセスに則って、協議し実現していくこと。
衝突を回避するための武装部隊の配置
第七条 国軍と民族武装諸組織の部隊は、衝突を避けることができるよう、自身の武装部隊の再配置について、次のことに合意する。

(A)双方が直接向かい合っている場所で、戦闘が起こらないように、機器交信、地上交信、その他の通信方法を確保し、即座に対応すること。

(B)武装部隊配置の設定において、衝突が起こらないように双方が協議して行なっていくこと。

(C)双方が協議中で、武装部隊の配置について問題が生じている地域で、双方の部隊の長が定期的に連絡を持ち、協議して行なっていくこと。

(D)国軍と民族武装諸組織は、自身の武装部隊構成員を指定の場所にのみ配置すること。

(E)双方が直接向かい合っている場所で、戦闘が起こらないように、部隊基地の数を協議して実現していくこと。

(F)当該部隊基地と地域間の連絡ルートの安全のため、互いに協定に基づき、双方が協議して行なうこと。
部隊員の移動の自由
第八条 国軍と民族武装諸組織は、移動の自由に関して、次のことに合意する。

(A)治安上の理由から制限している地域を除くいかなる場所も、武器を所持することなく、自由に往来できることを認めること。

(B)一方の組織が支配している地域内で武器を所持して移動する必要がある場合は、双方が協議し、合意のうえで、移動すること。
文民の保護
第九条 国軍と民族武装諸組織は、文民保護に関して、次のことを遵守することに合意する。

(A)住民の衣食住・保健、教育・地域開発のため、必要な支援を協議し合同で行なうこと。

(B)住民に対し、個人の尊厳を踏みにじる行為、襲撃、超法規的拘束、誘拐、虐待、非人間的扱い、拘禁、殺害と遺棄処分をしてはならない。

(C)地域住民に対し、強制的な立ち退きや移転をさせてはならない。

(D)住民に強制的に金銭・物品・食糧・労力・役務を強要して得る行為をしてはならない。

(E)住民に対し、理由もなくまたは謀略をめぐらし、拘束し処分すること、処罰することを決してしてはならず、法律に則って行なうこと。

(F)地域住民の土地を強制的に接収・収用してはならない。

(G)共有物を破壊、窃盗、強奪、及び許可なく占有してはならない。

(H)法に則った教育に関する権利に対する妨害や禁止、教育関連物品とともに学校、施設を破壊、教職員と教育を受ける者への妨害や禁止をしてはならない。

(I)各個人の保健に関する権利の侵害、公衆に関わる保健を支える物品、法律によって許可された公衆のための医薬品運搬を禁止してはならない。

(J)住民の食糧の収集、物資と収穫物の通常の運搬と販売、交易活動に対し、妨害や禁止をしてはならない。

(K)学校・病院・診療所と宗教施設・寺院を理由もなく破壊したり、損壊などの悪影響を起こさせたり、軍事関連基地を置くなどしてはならない。

(L)住民の宗教・文芸文化と慣習の保存活動を妨害したり、誹謗したり、損壊させたりする行為を直接的にも間接的にもしてはならない。

(M)女性への凌辱行為、性的暴力、姦淫、性的搾取をしてはならない。

(N)子どもに対する殺害、身体の切断、少年兵としての招集、軍役への従事、強制、その他の性的暴力、拘束・連行をしてはならない。

(O)住民に対し、搾取、強制労働をしてはならない。

(P)停戦地域内の住民の安全と発展のために尽力すること。

(Q)文民が不安を覚えることなく停戦地域内を移動する自由を認めなければならない。
人道的支援
第一〇条 連邦政府と民族武装諸組織は、人道的支援に関して、次のことに合意する。

(A)国内避難民(IDP)と紛争被害者たちのための人道的支援に関して、NGOとINGOの援助を、国家政府の許可を得て事業を実施していくにあたり、関連の官署及び民族武装諸組織と地域団体との間で協議して行なうこと。

(B)IDPがその希望通りに元の地域に戻り定住することを優先して行なうこと、適切な場所に新村を建設すること、災害から安全で人間としての尊厳に則るかたちで行なうこと。

(C)国内避難民(IDP)と国内に帰還した難民を調査のうえ、再定住プロセスを合同で協議して行なうこと。

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