国軍側は、フェイスブックなどSNS上でクーデターを批判する著名人に対し、新設の刑法第505-A条を適用し、指名手配。国営紙に連日、指名手配者リストを掲載した。(2021年4月4日、国営英字紙「グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー」)

 

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◆国営紙に連日クーデター批判の著名人手配リスト

4月にヤンゴン市内で拘束された日本人ジャーナリスト北角裕樹氏。彼に対する容疑のひとつが刑法第505-A条違反だった。同じように、フェイスブックなどのSNS上で国軍を批判するミャンマーの著名人たちも、この条項で指名手配され、拘束された。「クーデター」後の刑法改正で新たに追加された第505-A条と第505条a項とは何なのか。(赤津陽治

国軍側の最高意思決定機関である国家統治評議会は2月14日、刑法と刑事訴訟法を改正。国軍側は、立法権が国軍総司令官に委譲されているとして、いくつかの法改正を行なっている。(2021年2月15日、国営紙「ミャンマ・アリン」)

 

◆新たに追加された第505-A条と第505条a項とは

国軍側の最高意思決定機関である国家統治評議会は2月14日、「刑法を改正する法律」(国家統治評議会2021年第5号法律)を制定した。その第6条に基づき、元の刑法第505条a項は新しい内容に差し替えられ、元々あったa項、b項、c項は横滑りするかたちで、b項、c項、d項に振り替えられた。そして、第7条に基づいて、刑法第505条と第506条の間に、新たに第505-A条が追加された。
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