◆改正された刑法の第505条と第505-A条、日本語訳

505条(公益を損なわせる声明)※(a)が改正

声明または噂または情報を、作成または発表または流布するにあたり、

(a)国軍構成員や政府職員に政府または国軍に対する嫌悪・不服従・不忠実が生じるよう、その者たちの忠誠・意欲・規律・健康・訓練・任務遂行に対して、減殺・打撃・阻止・妨害・損傷させようという意図を有する者、または惹き起こそうとする者。

(b)連邦政府の陸・海・空軍の将校または兵士に対し、反乱または当該の自己の任務を尊重せず、怠業するようにさせる意図を有する者、またはそれに相当する内容を有する者、または

(c)国家政府または国家の安寧に打撃を与える罪をある者が犯そうとするよう、公衆または公衆の特定の集団に恐怖・怯えを生じさせる意図を有する者、またはそれに相当する内容を有する者、または

(d)階級間、集団間であれ、双方が罪を犯すよう扇動する意図を有する者、またはそのような扇動に相当する内容を有する者、

これらの者は、2年以下の禁錮刑若しくは罰金に処し、またはこれを併科する。

例外:ある者が、声明または噂または情報を作成または発表または流布するにあたり、その声明・噂・情報が正しいと確信する理由があり、前述の意図を有することなく行なった場合、作成または発表または流布した場合、この条項の意味に基づく犯罪は成立しない。

第505-A条(恐怖の惹起、虚偽のニュースの流布、政府職員に対する犯罪の直接的・間接的扇動)※以下すべて改正

(a)一部の市民または公衆に恐怖を惹き起こす者または惹き起こそうとする者

(b)虚偽のニュースを真実でないことを知りながら、または確信しながら、流布する者または流布しようとする者

(c)政府職員または政府職員の特定の集団または政府職員個人に対し、犯罪を実行するようまたは扇動するよう、直接的・間接的に行なう者またはそのようにしようとする者

これらの者は、3年以下の禁錮刑若しくは罰金に処し、またはこれを併科する。

◆刑事訴訟法上の犯罪類型

刑法が改正された同じ日に刑事訴訟法も改正された。内容は、新しく追加された刑法の条項の刑事訴訟法上での扱いを示す別表の改正だ。第505-A条は、「警察が令状なしで逮捕できる罪」とされている。一方、第505条a項については、改正法に言及はなく、すでにある第505条の規定に従って、「警察が令状なしで逮捕できない罪」となる。

ミャンマーの刑事訴訟法では、「警察が令状なしで逮捕できる罪」と「警察が令状なしで逮捕できない罪」に分けられる。前者は、警察が裁判所からの令状なく捜査・逮捕できる罪で、通常、警察署への通報を端緒に事件として扱われる。後者は、裁判所の令状なしでは逮捕できない罪で、警察署でなく裁判所に訴え出なければならないものとされている。

トゥントゥンヘイン氏の事件には、刑法第505-A条と第505条a項の両方が含まれている。第505条a項は本来、裁判所に訴え出るべきものだが、なぜか第505-A条とともに警察署への通報によって事件として受理されている。(3につづく >>