◆「平和な空の下でみんなが幸せに暮らすことが願い」

侵攻後、ウクライナの多くの学校では、安全上の配慮からネット回線によるオンライン授業が続けられてきた。だが、オンラインでは子供の協調性や社会性が身に付きにくいなど弊害も指摘され、各地で徐々に防空シェルターが整備された。防空警報発令時は地下に一時避難して授業ができるようになり、一部地域を除いて、登校しての対面授業やオンライン併用授業に切り替わった。

防空警報が出ていないときは、屋外で遊ぶことができる。青い空の下で、園児らは元気いっぱいにボール遊びをしていた。(2026年5月・クリヴィー・リフ:撮影・玉本英子)
ウクライナ中部に伝わる伝統工芸ペトリキウカの体験も。日本とウクライナの文化をクロスして学ぼうという取り組みだ。(2026年5月・クリヴィー・リフ:撮影・アジアプレス)

コヴァリ校長は言う。
「子供たちは戦争で大きな被害を受けています。つねに安心してともに学び、遊べるよう、教師と職員が懸命に学校を支えています。戦時下にあっても、学びの場を守り、維持したいとの思いです。戦争はすべてを変えてしまいましたが、私たちはウクライナの自由と平和を信じています」

この日、同校を訪れたユーリー・ヴィルクル市長は、将来の友好につなげたいと、校庭に桜の苗木を植えた。クリヴィー・リフ市では、日本の学校との相互交流や、姉妹都市の提携を希望しているという。

日本を学ぶ体験授業で、東京の在日本ウクライナ大使館のブクリエンコ書記官とつないでのオンライントーク。(2026年5月・クリヴィー・リフ:撮影・玉本英子)
教師がモデルになり、着物の着付けを体験。子供たちは初めて目にする着物の実物に大喜びだった。(2026年5月・クリヴィー・リフ:撮影・アジアプレス)
日本との友好を願って、桜の苗木を植えるユーリー・ヴィルクル市長(右)。クリヴィー・リフ市では、日本の学校との相互交流や、姉妹都市の提携を希望しているという。(2026年5月・クリヴィー・リフ:撮影・アジアプレス)

教室で涙を浮かべながら話してくれたダリナさん(6年生)の言葉が心に残った。
「以前のような静かな普通の生活がしたい。ミサイルが飛んでこない平和な青い空の下で、みんなが安全に、幸せに暮らせるようになってほしい。いま、私の願いはただそれだけです」

ダリナさん(6年生)は、北部ハルキウ出身。2022年2月24日の侵攻の日、祖母の家にいて、ミサイルが飛んでくるのを見た。みんなで急いで避難所に駆け込んだ。ミサイルに怯える日々はいまも続く。「平和な空の下でみんなが幸せに暮らすことが願い」と話す。(2026年5月・クリヴィー・リフ:撮影・玉本英子)

<ウクライナ>ハルキウ地下鉄駅構内の学校で「ミサイルから子供守り、授業を」(写真16枚+地図)

 

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