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満腹スペアリブ(イラク・バグダッド) 玉本英子

羊肉のスペアリブ、イラクでは「ドロアッ」という。ちょっとしたレストランにいくと、頼みもしないのに前菜の小皿が次々とテーブルを埋め尽くす。それだけでもうお腹いっぱいになったところにやってくるのがメイン料理。
これでもかという盛りつけのスペアリブには圧倒されるばかりだ。

ナンをちぎって骨をつかみ、肉をこそぎながらほおばると、ジューシーな肉の味が口いっぱいに広がる。日本では食べる機会もないだろうからと、骨までしゃぶって堪能する。(これで日本円で800円ぐらいだったかな)
食べきれない前菜はもったいないので「お持ち帰り」をお願いしていつもみんなに笑われる。

庶民の食堂というより、学校の先生が研修会後の打ち上げでワイワイ食事を囲むような場所なので、そう頻繁にいけるような場所ではないけれど、有名どころのレストランだといつもにぎわっている。

2005年ごろから、武装勢力の攻撃や宗派抗争の激化で、多くが町を離れ、名の知れたレストランが次々に店を閉じた。「政府機関や外国人に料理を提供する冒涜者」などと理由をつけられ、コックや店員までもが武装勢力の標的となり、身代金目的の誘拐もあいついだ。
いま、ようやく人びとが戻り始め、家族連れで食事にやってくる姿を再び見ることができるようになった。いつかきっと、日本からの観光客がイラク料理を存分に堪能できるようなときがやってくることを願いたい。(撮影:2004年)