イラン国内の芸術、文化、メディア活動をイスラム教の見地から取り締まる同国の文化イスラム指導省が、イラン映画協会の活動に神経を尖らせている。
イラン映画協会は、会員2500人、関係21団体を抱えるイラン映画界最大の団体。
文化イスラム指導省とイラン映画協会の関係は、2009年の大統領選挙以降、急速に悪化した。選挙後の騒乱で、イラン映画協会が改革派市民のデモを公然と支持し、政治的な表明を繰り返したことが、体制側の反発を招いたとされる。

今年1月、文化イスラム指導省は、イラン映画協会がおよそ20年前、設立に際して法的手続きを経なかったとして、同協会の解散を命じた。
イラン映画協会は、その活動を停止する一方、文化イスラム指導省には同協会の解散を指示する権限はないとして裁判所に不服を申し立てた。裁判所は5月22日、文化イスラム指導省による解散命令を無効とする判決を下し、これを受けてイラン映画協会は27日、活動を再開させたが、文化イスラム指導省はこれに強く反発。

同省のホセイニー大臣は28日、協会解散という同省の立場は変わらないとして、省内の文化機関検証委員会を招集し、改めてイラン映画協会の違法性を強調するとともに、再度、解散命令を発した。同省は、これに従わない場合は法的措置を取ると警告したが、映画協会側は、再度不服申し立てを行うと表明している。

イラン映画協会は、文化イスラム指導省の監督下で活動を行う映画関係者のギルドとして1986年に創設。93年には選挙による独自の運営委員会を発足させ、非営利団体として正式に登録された。2008年の規約改定では、文化イスラム指導省の監督からの脱却を宣言し、それ以降、文化イスラム指導省から繰り返し勧告を受けていた。
イランでは、NGO等の非政府系団体が、同国の政権転覆を目論む西側諸国から思想的、金銭的支援を受けることがないよう、その活動を厳しく監視している。
(佐藤 彰)