4年前、ISが村を襲撃し、避難。それ以来、スハイラちゃん(10)は学校には通っていない。(11月上旬イラク北部ハムダニア・撮影:シーラン・シャー)

「学校に行って、読み書きできるようになりたい」

過激派組織「イスラム国」(IS)がイラク北部モスルから敗走し1年4か月。市内では復興が進むなか、周辺地域は取り残された状態だ。モスル郊外ハムダニア郡の村では、IS掃討作戦で小学校も損壊した。避難住民は戻り始めたが、学校は修復されないままで、子供たちは通学できない状況が続いてきた。日本のNGO、IVYは支援活動の一環で小学校建設計画を進めている。(玉本英子/アジアプレス)

◆ISは村を去ったが、建物の多くは破壊のまま

IS掃討作戦のなか、空爆で損壊した小学校。昨年ISは敗走し、一部住民の帰還が始まった。だが小学校は再建されないままだった。(今夏撮影:イラク北部ハムダニア郡・撮影:ワシーム・ジョージ)

ISが村を襲撃したのは4年前の8月。300世帯の住民は少数宗教シャバクの人びとで、ISによる殺害を恐れ、ほとんどが安全なクルド自治区のキャンプに避難した。

村にあったIS拠点は空爆や戦闘で破壊、小学校も爆撃で大きく損傷した。昨年4月、ISは敗走し、避難住民は帰還を始めた。だが学校の修復は遅れ、子供たちは学校に行けない状態が続いていた。

小学生スハイラさん(10)は、今年4月、避難先のキャンプから家族とともに帰還した。避難キャンプでは学校へ行けなかったため、今も小学校2年生だ。
「村に戻ったら学校がなくなっていた。学校に行きたい。読み書きできるようになりたい」と言う。

母親のナヒダさん(42)は、となり村にある小学校までは遠くて娘を通学させるのは不安、と話した。

日本のNGO、IVY(本部:山形県)は今年5月、ハムダニア郡から申し出を受け、村の小学校建設に乗り出した。計画では国際人道支援組織のジャパンプラットフォームを通じた政府資金と、IVYが拠出する資金で事業を進めてきたが、資金不足に陥っている。資材の一部が急騰したため、工事資金が当初の予定を上回ってしまったためだ。

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