◆ずっと戦争と隣合わせだった

デモ参加者フセインさん(23歳):バグダッドに暮らしてきた僕たちは、どちらを向いても混乱ばかりでした。2003年に起きたイラク戦争のことはあまり記憶がないのですが、2005年頃から始まった宗派間抗争は覚えています。

当時小学生でしたが、家が貧しかったので、休みのあいだは絨毯屋で働いていました。ミニバスで仕事場に向かうとき、路上に遺体が転がっているのをよく見かけました。シーア派とスンニ派が撃ち合いをしたり、拉致して殺したりしていたのです。「同じ住民なのに、なぜ殺されるんだろう」。いつもそう思っていました。響き渡る銃声も忘れられません。

その後も「イスラム国」(IS)の登場などで、平和とは程遠い状況が続きました。いつも戦争と隣り合わせで、その戦争と混乱を引きずったまま、今のイラク社会があると思います。

こんな経験をしてきた僕たちです。何を恐れるのでしょうか。今回のデモに参加して一番嬉しかったのは、ここにいる人たちは宗派や民族について誰も気にしていないということです。現在、イラクはイランの強い影響下にあります。デモで逮捕された人びとによると、治安部隊にペルシャ語を話すイラン人がいたということです。そんな話まで出回っているほどです。外国の支配はもううんざりと皆、感じています。

僕たちは、腐敗した政治家たちを裁判にかけたい。自分たちの手で選んだ、不正をしない政治家を皆、望んでいるのです。政府を変えて、自分の未来も変えたいと強く願っているのです。(続きの2を読む>>