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【「フセイン政権解放」記念マラソン大会で5キロを走る女性たち。4月9日アルビルにて撮影】

玉本英子 現場日誌
フセイン政権崩壊4周年
今日はフセイン政権崩壊4周年でイラクは休日。バグダッドでは、今日の朝5時から(明日の朝5時まで)外出禁止令が出ているため、市民は外に出られない。さきほどバグダッドの友人から電話があった。「今朝も爆弾の音で目が覚めたよ。フセイン政権崩壊で喜んだのは最初の1年だけ。何もしてくれない今の政権には失望しかない」。
一方、ここアルビルは外出はできる。今日は市内で「フセイン政権解放」を記念したマラソン大会がおこなわれた。5キロと10キロの2コースに分かれ、8歳から66歳までおよそ300人が参加した。

【5キロを走るナズちゃん(8)。長距離走は3回目だという】

私が注目したのは、8歳のナズ・タハシンちゃん。参加資格は12才以上と聞いていたが、彼女は特別だったのか。大人顔負けの走りぶりで大声援を受けていた。女子の部で12位(50人中!)。
参加走者に4周年の思いを聞いた。
バハール・カスムさん(女性・19)は「4年前、圧政から解放されたことでクルド人は自由になれた。この日に走れることは本当に幸せ」。アマン・アジズ・モハマッドさん(26)は「4年たったが、今もバグダッドでは多くの人たちが苦しんでいる。かれらのことを忘れてはならない」と話した。アルビルには、バグダッドを中心に今も月に1500人以上の人びとが避難してきている。地元市民もその状況をよく知っているのだ。
この大会を組織したのは、サラ・サミアブドゥルラハマン・スポーツ財団。サラ氏は、2004年2月にアルビル市内で起きた自爆攻撃(98人死亡)で亡くなった。スポーツを通じて平和を願う、今のイラクで非常に意味のあるマラソン大会だったと思う。

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