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【自分たちのことを思ってくれる気持ちがうれしい/アルビル・ジャワヘリ小学校4月末】撮影:玉本英子

玉本英子 現場日誌
■イラクから帰国しました。
飛行機を乗り継いで、大阪に戻った。イラクは30度を越す暑さだったからか、大阪が寒く感じる。
帰国前、イラク・アルビルで国内避難民の子どもたちが通うジャワヘリ小学校を再訪問した。現在児童数は1400人、去年より500人以上増えた。本当は800人増えたのだが、うち300人は新設された市内の小学校へ転校となった。それでもジャワヘリ小は児童数の増加で教室に児童が入らなくなり、近くの学校と校舎交換(=お引越し)と」なったのだった。

ジャワヘリ小学校に行くと、イラクの状況が見えてくる。これは昨年には考えられなかったことだが、この春、バグダッドからの避難民児童の2割が一時的だがバグダッドに戻っていた。バグダッドの状況は少し改善されたようだ。一方、モスルへ帰る児童はゼロ。バグダッドの治安がマシになった同時期に、モスルの状況は悪くなっていた。

これは昨年2月からバグダッドで行われた米軍とイラク軍による武装勢力掃討作戦で、逃れた武装勢力がモスルに集結したのだと考える。イラク全土で見ると、何ら解決されていないのだ。(今回取材したモスルの状況は各メディアを通して発表していくつもりです)
5年C組のクラスで「フセイン政権が崩壊して5年たつけど、どう?」と聞いてみた。
児童たちは皆、大声で「ム・ゼン(良くない)!」。

こんなイラクにしたのは誰?と聞くと、多くが「マリキが悪い」と答えていた。
取材が終わり、芦屋の雑貨・文具メーカー「リュリュ」さんhttp://www.ryu-ryu.com/から預かったキャラクターシールを、ジャワヘリ小の児童たちに配った。子どもたちの表情が変わった。愛らしいプレゼントに子どもたちは大はしゃぎ。「シュクラン(ありがとう)!」の大合唱が教室内に響いた。
「リュリュ」さんからは、子どもが使えるシール付きマスクのセットもいただいた。これは現地NGOの代表者に渡し、入院中の子どもたちに配られた。「リュリュ」さん、ありがとうございました。

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